レコードに針を落とし、“オール・マン・トラブル”のイントロが始まった瞬間、思わず背筋がゾクゾクするような興奮を味わったのはきっと僕だけじゃないはずだ。ギター・カッティングにユニゾンする不穏なベースライン。やたらと重いスネアの音。そして、胸
00年代以降、インディ・キッズとクラブDJをダンス・フロアの上で和解させたのが<DFA>および、その設立者であるジャームス・マーフィーの功績だったとするなら、LCDサウンドシステム名義の事実上のラスト・アルバムである本作『ディス・イズ・ハプ
いつのまにか恒例化している「アークティック・モンキーズのアルバムをなにかに例えよう」シリーズ(笑)。前作『ハムバグ』は、「そんな息子がいつしか女遊びを覚えてヤリチンになってしまった寂しいレコード」でしたが、本作『サック・イット・アンド・シ
ゴキブリを喰って嘔吐した挙句、最後には首を吊って死ぬという“ヨンカーズ”のPVが、OFWGKTAの頭領、タイラー・ザ・クリエイターの露悪趣味を象徴している。 このいかにもアホな中二病がヨダレを垂らして喜びそうなブツに対して、カニエ・ウェストやア
アメリカを除く世界各国を旅する中で、銃声や、アナログなキャッシュ・レジスター、娼婦たちのコーラスなど、第三世界の刺激的な音素材の採集に励んだM.I.A.。ギラギラした極彩色に彩られ、意識的に荒いジャギーが施された本作のグラフィカルなアートワーク
いま、この時代に聴くべき意義を見出せるサウンドなのかどうか?という問いかけは、ひとつの音楽作品―――とりわけ、時代の流れに左右されやすいクラブ・ミュージックを批評するにあたって、おそらく重要な視点だ。 そもそもニュー・オーダーをクラブ・ミ