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日記一覧

Steel Wheels/The Rolling Stones
2022年12月23日22:10

 長年険悪だったミック・ジャガーとキース・リチャーズが和解を果たし、一念発起して製作された事実上の再結成アルバム『スティール・ホイールズ』。 ヤケクソ気味だった前作『ダーティ・ワーク』と比べて、明らかに演奏に対する緊張感、溌剌さが戻ってきて

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 まず、『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』というタイトルがすべてを言い表している。 ナルシスティックで、自意識過剰で、エゴ丸出しで、そしてとことんロマンチック…。デビュー作からしてチャ

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Slanted and Enchanted/Pavement
2022年11月13日16:39

 ローファイな音楽の良さを、普段からその手の音楽に接したことのない人に説明するのは意外と難しい。 まだパンクロックの良さの方が伝えやすいかもしれない。「演奏のテクニックや録音の技術なんかじゃない、気持ちの強さ、メッセージ性の強さの方が大事な

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POINT/Cornelius
2022年10月15日22:07

 ひたすらアグレッシブに多種多様なサンプリングの洪水で氾濫した『FANTASMA』から約4年、シンプルで隙間の多いアンビエント的な手法が導入されたコーネリアスの2001年作『POINT』。 従来の彼の作品からしてみたらシンプルかもしれないが、一般的な尺度で

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Blue Weekend/Wolf Alice
2022年10月08日22:54

前作『ヴィジョンズ・オブ・ア・ライフ』から3年、長い時間を掛けられただけあって(最近は新人バンドでも制作期間が長い)、わかりやすくスケールアップしたウルフ・アリスの新作『ブルー・ウィークエンド』。なにがスケールアップしたかって、まず彼らの音

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 絶賛をもって迎えられた『LIFE』から2年。当時、ノリにノッていた小沢健二が放った次の一手は、パーティーで浮かれた熱を優しく冷ますかのような、チルアウトなジャズ・アルバムだった。 本作を製作する前、「オザケン海へ行く」をコンセプトに、海をテー

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 レディオヘッドの中心メンバー(トム・ヨーク+ジョニー・グリーンウッド)によって結成された、新人と呼ぶにはあまりに豪華なスリーピース・バンド、ザ・スマイル。 彼らのデビューアルバムの内容は、表面的に言えばレディオヘッドが志向する音楽性と大き

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Future Days/Can
2022年08月11日10:36

 なんとカン初体験です。 70年代のドイツのクラウトロックということで、クラフトワークだとかノイ!みたいな電子音楽系のサウンドを勝手に想像していたが、意外とオーガニックなバンド・サウンドが飛び出してきて良い意味で拍子抜けした。 だが、この一聴

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 フィッシュマンズのいわゆる「世田谷三部作」の最終作であり、結果的に彼らの最後のオリジナル・アルバムとなってしまった『宇宙 日本 世田谷』を紹介します。 それにしてもこのアルバム・タイトルはなかなか言い得て妙で、世田谷的なローカルから発祥した

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BADモード/宇多田ヒカル
2022年07月30日12:50

 活動復帰以降、スティーヴ・フィッツモーリスの手を借りながら、オーガニックな生音の響きに凝っていたヒッキーだったが、その反動からか、最先端のエレクトリックなダンス・ミュージックに急接近した宇多田ヒカルの『BADモード』。 まず本作での最大のト

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The Idler Wheel.../Fiona Apple
2022年07月30日12:24

 7年間もの間、表舞台から雲隠れしていたフィオナ・アップルが突然リリースした『アイドラー・ホイール』は、まさしく隠居した仙人の如く、浮世離れした怪作になっていた。 このアルバムで鳴っているのは、ほぼ「歌」と「ビート」と「ピアノ」のみ。多彩な

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No Surprises
2022年05月31日23:59

埋め立て地に溜まった心ゆっくりと身体を蝕む仕事癒えることのない病疲れ果てた顔政府を倒してくれあいつらは僕たちのことを代弁してはくれない僕は静かに暮らしたいだけ一酸化炭素とも仲良くして怯えることも驚くこともない平穏な暮らし穏やかな 静寂これが

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FANTASMA/Cornelius
2022年05月15日05:14

 相方が「オザケン」という愛称でポップ王子に華麗に転身していたころ、一方の小山田圭吾ことコーネリアスはどうなっていかというと、ビーチ・ボーイズやビートルズをサンプラーでバラバラに切り刻んで解体した後、当時隆盛していたトリップ・ホップやアブス

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LIFE/小沢健二
2022年05月15日04:43

 今更ながらフリッパーズ・ギターにハマってしまった自分。解散後の二人も追いかけてみようと思い、代表作と呼ばれる作品から聴いてみようと、まずはオザケンこと小沢健二の94年作『LIFE』をレビュー。 本作を一言で言い表すのなら、ブラスやストリングスが

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 年代毎に、その時代を代表する傑作を送り出し続けている稀有なバンド、U2。80年代なら『ヨシュア・トゥリー』、90年代なら『アクトン・ベイビー』、そして00年代なら、この『オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド』といった感じに…。(10年

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Master of Puppets/Metallica
2022年04月17日10:54

 比較的どんなジャンルでも分け隔てなく聞いている音楽ファンだと自称している自分でも、昔からヘヴィメタルだけは唯一と言っていいほど苦手な音楽ジャンルだった。(「ヘビメタ」というのは侮蔑らしいよ) なので、当然のことながらメタリカのアルバムは一

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MISSLIM/荒井由実
2022年03月30日20:29

 前作『ひこうき雲』から比べて、一気にバンドがこなれて洗練された感のある、荒井由実としての2作目アルバム『MISSLIM』。 バンドの洗練を決定づけた最大の要因としては、山下達郎がコーラス・ワークで参加したこと。さすがシティ・ポップの顔として世界

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 意外とフル・アルバムとしてはまだ通算2作目となる、デーモン・アルバーンのソロ作品。(『Dr Dee』はサウンドトラックなので除く) この人はなにかしらのコンセプトないしアイディアがないとアルバムを作ろうとしない作家だが、今回、彼がインスパイされ

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Visions of a Life/Wolf Alice
2022年03月30日20:04

 名実ともにヒップホップがポップ・ミュージック界の覇者となった10年代以降、ストレートでわかりやすいロック・ミュージックを聴くのがどこか気恥ずかしくなってしまった。そんな経験はないだろうか。 とは言え、20年代になってからはイギリスを中心に若手

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 迸る表現欲求に突き動かされて製作した『真実』から6年、ジョン・ブライオンに依頼される形で、あるいは新作を待ちわびるファンの要請に応えて、半ば「お仕事」としてプロ・ミュージシャンに徹して製作したと思われる、フィオナ・アップルの『エクストラオ

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 1曲でアルバム1枚分すべてを埋め尽くす、フィッシュマンズ流エクスペリメンタル・ドリームポップ。 フィッシュマンズの音楽的特徴のひとつであるレゲエやロックステディからのリファレンスは、ベース・ラインがダブ風味なのを除いてあまり表出していない

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Donda/Kanye West
2022年01月26日12:35

 「ちょうどいい塩梅」、「ウェルメイド」という言葉を知らない男、カニエ・ウェスト。 20〜30分程度の短すぎるアルバムを2作リリースした後に迎えた本作『ドンダ』は、なんと108分の超大作。いくらなんでも極端すぎる。 実母の名をひたすら連呼する不気

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My Best Movie 2021
2022年01月01日09:30

(鑑賞した順番、数字は制作国の公開年)ブルータル・ジャスティス(2020)ガス燈(1944)ソウルフル・ワールド(2020)バクラウ 地図から消された村(2020)存在のない子供たち(2018)ザ・ホワイトタイガー(2021)クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!

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My Best Music 2021
2022年01月01日09:17

(順不同、オリジナルアルバムのみ選定、数字は発表された年)SOUNDTRACKS(2020)/Mr.Children ようやく老いを認める気になった子供たちは、ヤンチャなサービス精神を封印させる代わりに、スティーヴ・フィッツモーリスのシンプルで研ぎ澄まされた筆致に音を

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