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日記一覧

My Best Music 2014
2014年12月31日00:53

 2014年は新しい出会いに歓喜し、あるときは生温い惰性の中で過ごし、そしてあるときは苛立ち、憔悴し、感情的に浮き沈みの多い一年でした。詳しくは映画ベストの回に譲りますが、正直に言って、今年は音楽よりも映画漬けになった一年でした。 音楽誌の年間

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Lionheart/Kate Bush
2014年12月21日17:47

 1stアルバムで大成功したアーティストは、2作目では無駄に力んでしまった結果、やたらと大仰な大作を作って失敗するケースが多い。でも意外とそれと同じくらいの数で、真逆のパターン、つまり早急に作ったせいで詰めが甘くなってしまった失敗作もある。お

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 ただ音量がデカイだけのノイズ・ギターが鳴り響き、劣悪な環境で録音されたせいでコード感は曖昧、わけのわからないことをわめきちらすボーカル、音割れしたリズム隊、ミックス感はでたらめで、チープな爆音の連続性によってどの曲も同じように聴こえる。 

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Beck Song Reader/V.A.
2014年12月14日22:14

 2012年、楽譜という前代未聞なフォーマットで突如リリースされた、ベックの『ソング・リーダー』。いつかは音源化されるだろうとタカをくくっていた自分だったが、待てど暮らせどアナウンスはなく、そのうち普通のパッとしない新作『モーニング・フェイズ』

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 一聴してものすごく地味で、シンプルで、飾り気のない、ごくパーソナルな視点から作られたミニマルなアンビエント・エレクトリック・ミュージック。 トム・ヨーク『トゥモローズ・モダン・ボクシーズ』の構造的シンプルさは、2006年に発表されたソロ第一作

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Syro/Aphex Twin
2014年12月07日12:09

 エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスの、久々の復活作『サイロ』。自分は「エイフェックス・ツイン」以外の別名義でリリースした作品までフォローできてないのでなんとも言えないが、これってひょっとしてリチャードのキャリアでも郡を抜

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犬の約束/たま
2014年10月29日00:11

 あくまで私的な動機で、意味不明なタイミングで再評価が始まった「たま」。 通算4作目の『犬の約束』に関しても相変わらずの唯一無比の世界観を展開しているのだけれど、個々のクオリティーに関しては若干の息切れが垣間見れる。日本一非凡なバンドが放っ

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AMIGO/ウカスカジー
2014年10月16日00:15

 2014年ワールドカップ。我が国の不甲斐ない敗退が決まったその日、ふと立ち寄ったラーメン屋の有線放送から、ウカスカジーの“勝利の笑みを 君と”の能天気なコーラスが流れてきたとき、なんて場違いな音楽なんだろうと心底ウンザリさせられたことを覚えて

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Kasabian/Kasabian
2014年10月12日20:25

 なんとも激しく頭の悪いサウンドなのだろうか。 いや、褒めているんですよ。とにかくリズム隊の重心は低ければ低いほどカッコイイ!的な間違った思い上がりを信じた、ドスンドスンと腰に来るビートと、ダビーな重低音。にしては、意外なほど軽やかな、グル

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Transformer/Lou Reed
2014年10月05日11:24

 ルー・リード自身の作家としての才能よりも、プロデュースを務めたデヴィッド・ボウイ&ミック・ロンソンの手腕が取り沙汰されがちな本作『トランスフォーマー』。つまんないレビューになってしまうが、自分も世評通りの見方にならざるを得ない。 まず賞賛

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Back to Black/Amy Winehouse
2014年09月12日00:26

 ゼロ年代以降、レトロな感覚のソウル音楽が急増していった印象がある。その始祖的存在であり、あっと言う間に急逝して伝説になってしまったエイミー・ワインハウスをいまさらながら聴いている。 とにもかくにも、うらぶれたパブの倦怠を思わせる、その性根

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 エルヴィス・コステロと桜井和寿(Mr.Children)の類似性について、あらためて考えてみる。 いや、冷静に考えると音楽的にはまったく別モノなんですけどね。ディティールを挙げると意外とピンポイントで似てるところがいっぱいあるって話。わかりやすいと

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 5年ぶりに突如リリースされた、ザ・ラプチャーの『イン・ザ・グレース・オブ・ユア・ラヴ』は非常に良くできたポップ・アルバムである。 前作、前々作と進化してきたディスコ・ビートを現代的に、そしてサイケ寄りにソフィスティケートさせ、それに加えて

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Shangri La/Jake Bugg
2014年08月03日13:43

 アークティック・モンキーズみたいな縦ノリのリフ主体のロック×シャッフル・ビートで転がっていく快感“ホワット・ダズント・キル・ユー”、それとは対照的なネオアコ・ギターの清涼感“メスド・アップ・キッズ”、男臭い重厚なブルーズ・ロック“オール・

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No Music No Life!
2014年08月02日20:47

※アルファベット順(邦楽は50音順)※“The”から始まるものは、“The”を除いた位置に掲載A 〜 CD 〜 GH 〜 NO 〜 UV 〜 Z, Japanese

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Ghost in the Machine/The Police
2014年08月02日20:31

 1段ずつどころか、2段、3段くらい一気に階段を跳ね上がったような飛躍を感じさせる、ポリスの4作目『ゴースト・イン・ザ・マシーン』。 1曲目“マテリアル・ワールド”から無機質なシンセに驚異を覚えるが、その後の2曲目“マジック”ではそのシンセ

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Everyday Robots/Damon Albarn
2014年07月12日11:34

 ここのところデーモン・アルバーンはプロデュース業ばかりに熱を上げているが、意外にも自身のソロ作品には外部のプロデュースをあてがってみた(リチャード・ラッセル)という経緯が、まず興味深い。おそらく本作『エブリデイ・ロボッツ』の方向性を、はじ

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Ghost Stories/Coldplay
2014年06月29日18:41

 おそらく今年発表されたメジャーなポップ・アルバムの中ではもっとも賛否が分かれてしまっている作品のひとつ。自分がどちらの評価なのかは後述するとして…。 前作『マイロ・ザイロト』のスタジアム路線から一転、ダークで、内省的で、地味で、静謐で、音

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Indie Cindy/Pixies
2014年06月10日22:38

 ピクシーズ23年ぶりの新作『インディ・シンディ』が、大方の期待値を下回る作品になってしまった理由―――。 その一、バンドの片腕だったキム・ディールの脱退と、それに伴うバンド・アンサンブルの凡庸化。それに関連して、単純に他メンバーたちのオル

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RAY/BUMP OF CHICKEN
2014年06月08日03:48

 30代になってもバンプ・オブ・チキンを聴いている、ということの意味を考えている。 10代のころはそれこそモラトリアム真っ只中だったので、ちょっと年上のお兄さんたちの奏でる、まさしく同世代の「青春ソング」として受容するだけのセンシティヴな感

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The Kick Inside/Kate Bush
2014年05月31日21:25

 「妖精みたい」と形容される不思議ちゃん系シンガー・ソングライターが大挙しまくった時期があったが、妖精ちゃんの元祖はおそらくこの人。でも、ジョニ・ミッチェルに影響を受けたと思われる、意外とフォーキーなソングライティング、そして妙にキンキンと

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 アシッドなフォーク・シンガーとしてキャリアをスタートさせたボウイだったが、本作『世界を売った男』にはトニー・ヴィスコンティやミック・ロンソンといった、後にお馴染みとなるメンツと共に結成したライブ・バンド「ハイプ」を存分に楽しむ姿が収められ

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 曲間に繋ぎとして挿入されている、カンフー映画のサンプリングがウータン・クランの薄気味悪さを象徴している。なんかパーカーのフードを目の下まで深々と被り、虚ろな目でマリファナをふかしながら、わらわらと大勢で夜間の廃墟にたむろしている。そんなイ

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Morning Phase/Beck
2014年04月20日00:47

 ジョーイ・ワロンカーを筆頭としたアトムス・フォー・ピース組の起用、実父デヴィッド・キャンベルが指揮したストリングス、さらにジャケットのキラキラなポートレイトからして、誰もが2002年の傑作『シー・チェンジ』を連想せずにはいられない、ベック新作

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 「ポストパンク・リヴァイヴァル」というわけのわからないタームに放り込まれてしまったことがよほど気に入らなかったのか、ポストパンク的要素(つまりPILっぽさ)は周到に排除、高性能なポップ・バンドとして生まれ変わったザ・ラプチャーの二作目『ピー

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きゃべつ/たま
2014年04月12日21:01

 正直、3作目くらいから息切れしてくるかと思ってた「たま」のアルバムだけど、なかなかどうしてこの3作目の『きゃべつ』も閃きは衰えてない。前作『ひるね』から半年、いささか早急にこしらえた感は否めないものの、相変わらず、オルガンとアコーディオン

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 前作『女たち』のパンク路線を継承しつつも、演奏の重心はグッと低く落として従来のストーンズらしいグルーヴに回帰しつつ、一方ではUKレゲエ(“センド・イット・トゥ・ミー”)、キースの歌うバラッド(“オール・アバウト・ユー”)など変化球も配置し

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London Town/Wings
2014年03月29日11:20

 もはや恒例となった感のあるメンバー脱退劇(ジミー・マカロック&ジョー・イングリッシュ)を経て、さすがのポールも疲れ切ったのか、タイトル通りのイギリスっぽい枯れた味わいを醸し出しているウィングス作『ロンドン・タウン』。本作のムードを象徴して

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Faith/George Michael
2014年02月22日08:16

 カミングアウト前だったことが信じられないような、このホモっぽいアートワークに騙されてはいけない。「俺って、ワキ臭くない?」じゃない。そりゃあ素肌に革ジャン着てればムレるに決まってるだろう!と常識的に突っ込んでもいけない。 手前味噌ながら、

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Disclosure/Settle
2014年02月07日03:22

 クラブ・ミュージック界隈を震撼させる期待の真打ちが、ついにロンドンから登場!若干二十歳の二人組兄弟ユニット、ディスクロージャーのデビュー作『セトル』。ハイプなメディアの代表格であるピッチフォークも絶賛、あのダフト・パンクの二人も認めたとい

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