8連休の初日は気持ちよい晴天の日で、まずはクラシック音楽のコンサートで幕開けとなった。今日は、NHK交響楽団のオーチャード定期演奏会を聴きに行った。プログラムは次のとおりである。
・ムソルグスキー:歌劇「ホヴァンシチーナ」から前奏曲「モスクワ川の夜明け」
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
・プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲第1番、2番(抜粋)
指揮:アルヴォ・ヴォルマー、ヴァイオリン:松田理奈
会場:渋谷Bunkamuraオーチャードホール(15:30開演)
NHK交響楽団でチャイコフスキーを聴くという、久しぶりの(でもないか)、普通の(?)クラシックコンサートである。今回行こうと思ったのは、指揮者のヴォルマーに興味があったからで、たまたま広島で購入したトゥビンを振っているCDが非常に素晴らしかったので、来日してN響を振るということで、生で聴いてみたかったのである。ヴォルマーはエストニア出身の指揮者だが、今日はオール・ロシア・プログラムである。また、ヴァイオリンの松田理奈も、生で聴くのは初めてだ。
本日のオーチャードホールはほぼ満席だった。これは、ヴォルマーだから? N響だから? 松田理奈だから? たぶん最後の理由が大きいだろう。
1曲目はムソルグスキーの歌劇の中の音楽から1曲である。CDでも持っているけど最近聴いていないので、どんな曲か忘れかけていたが、タイトル通りの「夜明け」のイメージの曲で、聴いていて心地よい気分になった。歌劇には疎いので、この歌劇がどのようなストーリーなのかは知らないが、この曲だけ単独で演奏されることも多いようで、良い曲である。ヴォルマーの指揮とN響の演奏もきれいにまとまっていてよかった。
続いてはチャイコフスキーの名曲であるヴァイオリン協奏曲だ。この曲の演奏はオケが素晴らしかった。ヴォルマーの棒にN響が的確に応えて、時に盛り上げつつも、ソリストをしっかりとサポートしていた好演であった。一方の松田理奈のヴァイオリンは、やや繊細というかデリケートというか、そのような印象だった。もっと若く溌剌としたチャイコフスキーを想像していため若干違う印象を持っただけであり、今回聴くのは初めてだから、もともとそういう弾き方をする人なのかもしれない。演奏は上手いといえるし、最後まで楽しめたことは間違いないが、オケのテンポやバランスが絶妙なサポートをしていた部分があったと思う。いずれにせよ、名曲の名演だったと言ってよいと思う。
このあとは松田さんのソロでアンコール。「イザイを弾きます」で、イザイの無伴奏ソナタ第3番「バラード」を弾いた。これは素晴らしい演奏であった。イザイは得意なようである。
休憩のあとは、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲だが、今日は抜粋となっていて、順番も通常の第1組曲、第2組曲の番号とは変えている。今日の演奏順は次のとおりだ。
1.モンタギュー家とキャピュレット家 (第2−第1曲)
2.少女ジュリエット (第2−第2曲)
3.修道士ロレンス (第2−第3曲)
4.踊り (第2−第4曲)
5.仮面 (第1−第5曲)
6.ある場面 (第1−第2曲)
7.ロメオとジュリエット (第1−第6曲)
8.タイボルトの死 (第1−第7曲)
9.ジュリエットの墓の前のロメオ (第2−第7曲)
1曲目は有名なあの音楽である。何やら妖怪でも出てきそうな不気味な音楽(?)だが、不気味さは抑え気味にして、しっかりと音楽自体を聞かせてくれた。このあとも上記の順番で音楽が続く。確かに聴いたことのある曲が次々に展開はするのだが、個々のタイトルを見ただけではどんな曲だったか分からないのがほとんどなので、順番がどうでも気にならない(笑)。演奏曲順は物語の順序に大体合わせたのだろうか。最初に「モンタギュー家とキャピュレット家」を持ってきて雰囲気を作り出し、最後の方に激しいティンパニ連打がある「タイボルトの死」、そして最後は「ジュリエットの墓の前」での悲痛な音楽と、ただの寄せ集め組曲ではなく、全体としてドラマティックに展開するように考えられていたと思う。結構楽しめた。
アンコール演奏は、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」第1組曲第4曲の「メヌエット」であった。なんのことはない、抜粋に1曲加えただけである。
今日のN響はなかなかの好演であった。ヴォルマーの指揮も良かったと思う。
終演後は新宿に出て、今日は「昭和の日」であるので、昭和の面影を残す洋食屋「はやしや」で食事をしてから帰った。
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