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2015年04月12日20:06

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【音楽】 アイノラ交響楽団演奏会@杉並公会堂

2日続けてのコンサートで、今日はアイノラ交響楽団の第12回定期演奏会を聴きに行った。

アイノラ交響楽団はシベリウスの作品を専ら演奏するために結成されたアマオケで、こちらも最近の演奏会はほぼ欠かさず聴きに行っている。今年はシベリウスが生誕150年の記念年なので、アイノラ交響楽団も相当の気合が入っているはずである。1番から7番までの交響曲からどれかを取り上げるオケは今年は多いが、今回アイノラ交響楽団が選んだプログラムは次のとおりである。

 ・シベリウス: カレリア組曲
 ・シベリウス: クッレルヴォ

   指揮:新田ユリ、メゾ・ソプラノ:駒ヶ嶺ゆかり、バリトン:末吉利行
   合唱:合唱団お江戸コラリアーず
   会場:杉並公会堂大ホール (13:30開演)


フィンランドの民族叙事詩「カレヴァラ」における悲劇の英雄「クッレルヴォ」を題材にした、壮大な大河ドラマともいうべき大曲がメインプログラムである。このオケは3月3日(火)にも同じプログラムで、日本シベリウス協会主催の演奏会を行っているが、そちらは平日ということもあって行けなかったので、2回目に当たる今日のみ行くこととなった。

まずは、ウォーミングアップと言う感じで「カレリア組曲」から始まる。出だしのところこそ少しかたいかなと思ったが、トランペットが主題を奏でるとあとは乗ってきて1曲目の間奏曲を終了。2曲目のバラードでは、コーラングレが「春の小川」のような(?)きれいなメロディーを奏でる。3曲目はおなじみの行進曲で、きれいにまとまって終了。これは本当にウォーミングアップ(?)に適切すぎる選曲だと思った。

次はメインの「クッレルヴォ」だ。1時間を超える大曲で、それゆえかCDでもたまにしか聴かないが、今日は生でじっくりと聴くのである。第1楽章、第2楽章は管弦楽のみで演奏されて、それはそれで激しい部分もあるが、落ち着いて聴いていた。第3楽章では男声合唱とソロが入るが、最後の方のバリトンによる慟哭の歌は、声が枯れんばかりのすごい歌い方で、圧倒されてしまった。第4楽章も管弦楽のみなのでまた落ち着いて聴いていたが、最後に戦いに勝利した場面だろうか、かなり盛り上がって終わるものだから、ここで終わりと思って拍手した人が少なからずいた。たしかにこれで終われば英雄の勝利というハッピーエンドかもしれないが、このあと続く第5楽章は「クッレルヴォの死」である。静かな弦のトレモロで始まり合唱も静かに加わる。急にしんみりとするが、そのあとは音楽も激しく展開して最後はクッレルヴォの壮絶な死で締めくくる。

聴いた感想はやはりすごい演奏だったというしかない。1時間20分に及ぶ演奏が終わったあとは、正直言ってどっと疲れたような気もした。

このあとはアンコール。この高揚感を鎮める、いつもの「アンダンテ・フェスティヴォ」かなと思っていたら、合唱団も立ち上がる。「フィンランディア」だ。もちろん合唱付きだ。高揚感をさらに高めるアンコール演奏であった。最後にもう1曲、今度は毎度おなじみの「アンダンテ・フェスティヴォ」で締めた。

今年はシベリウスを演奏するアマオケも多いだろうが、やはり「シベリウスへの愛では他団の追従を許さない」と自負している楽団だけに、演奏にも熱い想いが込められているようで、好ましい。演奏技術が上手い楽団なら他にもいくらでもあろうが、特定の作曲家シベリウスにだけ特化したオーケストラだけに、やはり作曲家や作品への思い入れは相当なものがあると思う。シベリウス好きの私には外せない演奏会になっている。

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