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2015年04月11日19:53

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【音楽】 オーケストラ・ナデージダ演奏会@狛江エコルマ

今日は、オーケストラ・ナデージダの第12回定期演奏会を聴きに行った。ナデージダはロシアや北欧の知られざる名曲を積極的にプログラムに取り上げ演奏しているアマオケで、最近の演奏会はほぼ欠かさず聴きに行っている。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・ダルゴムイシスキー: 歌劇「ルサルカ」より
                  婚礼の場面の導入、スラヴの踊り、ジプシーの踊り
 ・ミャスコフスキー: 交響曲第25番
 ・ハルヴォルセン: 交響曲第1番

     指揮:渡辺新
     会場:狛江エコルマホール (13:00開演)


先週行った演奏会の日(4/5)も小雨だったが、今日も同じような天気だ。昼過ぎには雨は上がったが、空はどんより曇っている。開演時刻が通常より早めだが、今日の会場は自宅から近いので問題ない。

最初はダルゴムイシスキーの歌劇「ルサルカ」の第2幕から3曲である。歌劇「ルサルカ」というとドヴォルザークを思い浮かべるが、今日はダルゴムイシスキーの方である。実はこの曲を聴くのは初めてである。というより、ダルゴムイシスキー自体が初めてである。まだまだ未知の作曲家の作品に触れる機会はいくらでもありそうだ。音楽は、王子の婚礼の場面に使われている華やかな宴の音楽で、聴いていて楽しかった。2曲目のスラヴの踊りはちょっとユーモラスな感じもして面白いし、3曲目のジプシーの踊りもいかにもという感じで、これも良かった。まあ、この婚礼ゆえに、裏切られた粉屋の娘ナターシャは、悲しみのあまり川に身を投じて水の精(ルサルカ)となり、王子を水底の城へいざなうのであるが。

続いてはミャスコフスキーの25番だ。ミャスコフスキーの交響曲は27曲あるが、どれも茫洋とした感じで捉えどころがない印象で、昨日久しぶりに手持ちのCDを取り出して、「予習」として25番を聴いてみたが、印象は同じであった。第1楽章は聴いていても退屈するかもしれないと思っていた。

しかし、今日実演を聴いて全く印象が変わった。茫洋とした感じはミャスコフスキーの持ち味だからそれはいいのだが、退屈すると思っていた第1楽章にすっかり聴き惚れてしまった。なんだかよく分からないと思っていた第2楽章も、今日の演奏は素晴らしく、ここはこうだったのかと、CDでは分からなかった部分が面白く感じた。Adagio、Moderatoときて、第3楽章はAllegroとだんだん速くなるのだが、最後まで楽しむことが出来た。CDで何度も聴くよりも実演で聴く1回の方が勝ることも多いが、今日の演奏もその好例となった。終演後にクラリネット、トランペット、ホルンの首席奏者を指揮者が立たせたが、みんな良かった。特にホルンのソロが大変素晴らしい箇所があった。「絶対退屈する、演奏中に寝るかもしれない」と思っていた25番だったが、退屈するどころか、この曲の魅力を余すところなく演奏で示してくれて十分に楽しむことが出来た。今日の演奏を聴いて、25番の印象が大きく変わった。これは名曲だ。あとでCDでも再度聴いてみよう。

休憩のあとは、お待ちかねのハルヴォルセンの1番だ。今日はこの曲を目当てに行ったようなものである。ハルヴォルセンはノルウェーの作曲家である。日本ではノルウェーの作曲家といえばグリーグばかりが有名だが、ハルヴォルセンもかの国ではメジャー作曲家であるという。もちろんグリーグとは深い親交があり、グリーグの姪と結婚しているから親戚同士でもある訳だ。グリーグより21歳若い。

さて、交響曲第1番だが、この曲は初めて聴いた時にカッコイイ曲だなと、すぐに気に入ってしまった。以前にふざけ半分だが、この曲は宇宙モノのSFアニメにも使えそうな曲だと書いた記憶がある。第1楽章では宇宙への旅立ちの勇ましい場面、第2楽章は広大な宇宙空間を進んでいる場面、第3楽章は故郷地球での楽しかった日々の思い出に浸る場面、そして第4楽章は「敵」に遭遇してヒーロー危うし、しかし苦難を乗り越えて「目的」を達成し地球に帰還、と言う訳で、要するにカッコイイ曲だということだ。

そんな訳で大きな期待を持って聴きに行ったのであるが、今日の演奏は第1楽章の冒頭からちょっと乱れた感じが気になった。前半のミャスコフスキーでは素晴らしい演奏を聞かせてくれたオケが、後半はちょっと疲れたのか、ちょっと気になった部分もあった。でも、決して悪い演奏ではなかったし、よくやったとは思うが、ただ自分の持っていたこの曲のイメージには少し足りなかったのである。もし、この曲を全く知らず今日初めて聴いたのだとしたら、素晴らしい演奏だったと書いたかもしれない。曲自体は大変劇的で、聴く者を魅了する要素が盛りだくさんなのである。日本では滅多に演奏されないハルヴォルセンの1番を生で聴くという貴重な体験が出来たし、このマイナーな曲を取り上げて一生懸命演奏したことは賞賛したい。

アンコールをやるというので何かと思ったら、コンマスの相原さんが立ち上がった。相原さんがソロを弾く、シンディングの「古風な組曲」の第1曲目である。ヴァイオリンのソロが超絶技巧を要するもので、短い曲ながらこれはすごい演奏であった。見事である。ハルヴォルセンのあとよりも大きな拍手が鳴り響いた。

ハルヴォルセンを聴きに行ったのに、それよりも、あまり期待していなかったミャスコフスキーが大変良かったという感想になったが、やはりこのオケの演奏会は外せないのは確かである。次回も楽しみだ。

帰りは雨も完全に上がっていたので、心地よい風に吹かれながら多摩川を渡り、自宅まで歩いて帰った。
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