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2015年02月11日21:01

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【音楽】 秋山和慶 指揮者生活50周年記念演奏会

今日はミューザ川崎に東京交響楽団の演奏会を聴きにいった。「秋山和慶 指揮者生活50周年記念演奏会」と題する演奏会で、もちろん今日の主役は秋山和慶さんである。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・ブラームス:交響曲第2番
 ・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
 ・ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲

    指揮:秋山和慶/ヴァイオリン:神尾真由子
    会場:ミューザ川崎シンフォニーホール、15:00開演

毎日通っている川崎だが、休日とあって人出も多い。もちろん今日は仕事ではなく、会社のビルの隣りにあるミューザ川崎に行くのである。今日はチケットも完売とのことで、会場に行くと秋山さんへのお祝いの花束がたくさん飾られていた。やはり秋山さんは日本を代表する指揮者の一人なんだなと改めて思う。

ほぼ満席の会場にオケのメンバーがそろい、秋山さんが登場して演奏会が始まった。今日はいきなり交響曲から始まるのである。最近のオーケストラのコンサートでは、このプログラムならラヴェル、チャイコフスキー、ブラームスの順番で演奏しそうだが、今回は秋山さんの指揮者デビュー演奏会と同じプログラムということである。秋山さんのデビューの頃私はまだ生まれたばかりで、50年間も第一線で活躍しているというのは尊敬に値する。

ブラームスの2番は、「ブラームスの田園交響曲」などといわれ、牧歌的な雰囲気の曲と思われがちで、確かにそういうのも良いが、今日の秋山さんによる演奏は一味違っていた。最初のD−Cis−Dからして、おっ!と思わせるものだった。きびきびとした指揮によるエネルギッシュなブラームス2番で、オケの団員も、「このような記念演奏会で恥ずかしい演奏は出来ない」と、指揮にきちんと応えていて、大変素晴らしいブラームスを聴くことが出来た。よく知っている曲なのに、退屈しないどころか新鮮な気持ちで聴くことが出来た。1曲目から素晴らしい名演だ。

休憩のあとは、神尾真由子さんをソリストに迎えて、チャイコフスキーの協奏曲だ。今日の主役は秋山さんだが、やはり神尾さんの存在感も大きい。2人とも主役だ。ステージに現れた神尾さんを見た時、ちょっと驚いた。お腹が大きいのである。演奏家のプライベートなことには興味がないので知らなかったが、すでに結婚して妊娠しているのだった。

神尾さんを生で聴いたのは、確か3年前にシベリウスの協奏曲を聴いたのが最後だろうか。久しぶりである。完璧なテクニックによる素晴らしい演奏なれど、ちょっとシベリウスとしては、私の好みと違うなという印象だった。しかし、チャイコフスキーなら合いそうな気がした。そのとおり、弾き始めから音量豊かなヴァイオリンが朗々と響き渡る。神尾さんのヴァイオリンは演歌(?)なのである。今日の主役のはずの秋山さんも、ブラームスの時とは少し変えて、神尾さんを盛り立てるサポートとして、少し抑えつつも随所でビシッと決める演奏をしてくれた。神尾さんの第1楽章のカデンツァは圧巻だった。ヴァイオリンの音だけが響くホール全体を完全に虜にしてしまったようだ。第2楽章以降は、少し抑え気味に弾いたようにも聴こえたが、これはお腹が大きいことが多少影響しているのだろうか。しかし、全体としては素晴らしい演奏であったと思う。演奏後に何度かステージに呼び戻されたのでアンコール演奏を期待したが、妊婦さんなので今回はなしだった。

最後はラヴェルのバレエ曲「ダフニスとクロエ」から第2組曲である。第3部の3曲をそのまま組曲として続けて演奏するもので、「夜明け」、「無言劇」、「全員の踊り」と、個人的にも一番好きな部分である。演奏時間は15分ほど。ここでは秋山さんは、1曲目、2曲目とはまた変えて、表情豊かに歌わせつつ、盛り上げるところは盛大に鳴らすという指揮をした。フルートが大活躍する部分が多く、やはりそこには聴き惚れてしまう。これも素晴らしい演奏であった。

2階のLB席で聴いていたので、秋山さんの指揮ぶりがよく見えるが、見事な棒さばきに見とれてしまいそうだった。

アンコールは、スメタナの「売られた花嫁」から「道化師の踊り」で、楽しく締め括った。トランペットが勢い余ってちょっと外した箇所があったのはご愛嬌ということにしておく。

今日は文句なしに行ってよかった演奏会だった。
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