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2014年12月30日21:16

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蕎麦について

 帰省ラッシュのピークを迎えた今日、オフィス街などは逆に閑散とするようになっている。一部の業種では今日まで働く人たちもいるけれど、多くは暮れを家族とともに過ごしているに違いない。

 昼前に、一日早いけれど蕎麦でも食べようかと思って行ったところ、開店前から長蛇の列。今日って大晦日だっけ、と勘違いしそうなほどだった。例年、大晦日にはものすごい行列ができるのは知っていたけれど、まさか前日からとは。

 年越しそばの風習は、早くても江戸時代中期から始まったとされる。それ以前は、そもそも蕎麦を麺として食していなかった。それまでは雑穀の扱いであり、粥にしてみたり、粉を固めて煮たり焼いたりして食べていた。
 麺になってからは、庶民の味として親しまれた。いまでいうファストフードであり、いまの蕎麦屋とは立ち位置が少し異なっている。

 うどん県にも蕎麦屋はあるし、うどん屋でも蕎麦を出すところも少なくない。ただ、香川の蕎麦は徳島の内陸地方にある祖谷(いや)蕎麦の影響を受けているのか、麺が黒くて、蕎麦にしては太い。蕎麦だからコシがないのは当たり前だけれど、うどんのように食べられるかというとそうでもない。
 もっとも近年はうどんのコシが強くなり、太さも増しているので、お年寄りなどはかえって蕎麦を注文していたりする。

 江戸時代に広がった蕎麦だけれど、その種類は各地域の特色が出ていて面白い。ダシの違い、鰊(にしん)など特産物の違い、食べ方の違いなどなど。効率性が重んじられる現代では、どうしても多様さが軽んじられるところもある。そういう意味では、江戸時代の文化というのは食も含めて非常に面白い。
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