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2014年12月28日13:03

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都市部と地方の商店街

 帰省ラッシュがピークを迎えると、逆に大都市は閑散としてくる。といっても、正月用品を扱う繁華街やデパートなどは、逆に混み合うのだけれど。
 それでも、街で見かける人たちは明らかに減っているし、妙な静けさがある。こういう雰囲気は、お盆と年末年始の数日くらいしかない。

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 逆に、地方では普段は商店街もまばらなのに、見慣れない人たちが往来するようになる。昔は普段でもこれくらい人はいたものだけれどなあと思ってしまうのも、私が歳をとったせいだろうか。

 商店街というのも、ファッションブランドのお店が並ぶイメージになっているけれど、昔は魚屋、八百屋、金物屋、米屋など、日用品や食料を扱う店の集まりだった。だから、陽射しの強い西日本では、商店街の通りを屋根で覆うアーケードが作られるようになった。デパートの食料品売り場が地下にあるのも、陽射しや気温を考慮したからだ。

 郷里の商店街は、全国的にみてもアーケードが長い。そこにはもちろん、衣料や雑貨を扱う店も多いのだけれど、少し離れたところには日用品の店舗も残っている。昔はそこで正月用の餅や黒豆を買って、大晦日の夜に準備していたものだった。

 そんな地方の商店街も、バブル期をピークとして冬の時代を迎える。1980年代になると、食料品の専門店は商店街から姿を消しはじめ、その役割はスーパーにとって替わられた。そのあとには、服やバッグ、宝飾などブランド品を扱う店になったのだけれど、1990年代になるとそれらも減っていく。あとにはシャッターの下りた空き店舗が残された。2000年代、郊外型の大型ショッピングモールの登場も、それを助長した。

 その後、商店街も一部に資本を集中させ、生き残りに成功したところもある。大規模な再開発を手掛けて、客を呼び戻したのだ。ただ、再開発から外されたところはかえって衰退してしまう。

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 そうした古きよき地方の商店街の名残は、逆に都市部にあったりする。東日本は商店街といってもアーケードがあるところはそれほど多くない。けれども、新たにマンションが建ったり、住宅需要が高まったりしているおかげでそれなりに雰囲気を維持しているところも残っている。
 横浜では、アーケード街としては横浜橋、弘明寺の商店街。下町風情がある。屋根はないけれど、松原商店街界隈は人気が高く、平日でも大勢の人が集まっている。藤棚商店街も昔の雰囲気を残している。六角橋の商店街も規模が大きい。いわゆる表通りのイセザキモールや高級ブランドが並ぶ元町商店街とも棲み分けができている。

 昔は市内電車が近くを走っていて、横浜周辺に住む人たちはそれを利用して商店街で買い物をしていたようだ。ただ、その市内電車が廃止され、横浜駅にデパートができると、客の流れも変わっていったという。1990年代以降は、みなとみらいが発展していき、イセザキモールですら衰退してしまった。

 都市部でも商店街は必ずしも順風ではない。ちょっと歩けば、かつて商店街だったところも散見される。そういう意味では、商店街が街の発展に貢献した時代は過去のものになっているのかもしれないけれど、できれば復活を遂げていって欲しい。
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