mixiユーザー(id:2502883)

2014年12月21日15:36

43 view

「政治は数」「数は力」、けれども…

 民主政治の趨勢を決めるのは、最終的には数である。総選挙を行っても、与党議員が変わらず議会の多数を占める状況のなかで、野党がそれに対抗するのもまた、数の力以外にはない。それは理解できる。

 しかし、議会で多数を占めていても、それを率いる指導者に権力がなければ、政治を動かす「力」にはなり得ない。民主党政権が発足したとき、衆院では300を超える議席を獲得した。しかしそれは、新政権に対して同床異夢の議員たちが集まった寄り合い所帯に過ぎず、民主党は内紛の果てに分裂してしまった。
 第一次安倍政権も同様だった。先の小泉政権が郵政選挙によって得た議席をそのまま引き継いだものの、党内の統制がとれず、参院選の敗北後に総辞職に追い込まれてしまう。多数の議席を占めていても、それだけで政権運営が安定する条件が整うわけではない。

 いまの第二次安倍政権の強さは、単に議席が多いというのではなく、「自ら選挙の陣頭指揮に立ち、それに勝った」という実績があるからだ。単なる数合わせでは、自民党も一枚岩を維持できるわけではない。自民党は下野した期間、執行部の強い指導のもと、地方組織の再編を徹底させた。その効果がここ数年の選挙結果に表れている。

-----

 民主党は、政権と多数の議席を失ったことで、「数の力」の大きさを身にしみて味わっているに違いない。ただ、政治姿勢の異なる勢力と合同するなり、取り込むなりしても、十分な指導力を発揮できる体制がなければ、規模が大きいだけの政党になってしまう。選挙区の重なる議員たちの調整をどうするのか。地方組織をどうしていくのか。そうした足もとの問題をおろそかにして小選挙区で勝てるとは思えない。

 民主党から立候補した若手のなかには、官僚出身をはじめとして、能力の高い人たちも少なくない。そして彼らの政治理念は、自民党の若手とそれほど違いもない。民主党の若手議員・候補者たちに共通しているのは、「政権交代が可能な政治体制」への希求である。自民党・民主党の議員・候補者たちの能力に大きな差がないとすれば、違いは政府との距離、行政経験の有無だろう。

 思い返してみれば、福田康夫内閣のときに、自民・民主の大連立構想が実現しかかっていた。しかし民主党の議員は、参院選で過半数を失い、政権運営に苦しむ福田内閣との連携に反対、大連立は頓挫する。
 政府に参画する機会を自ら放棄して、民主党は次の総選挙で大盤振る舞いのマニフェストを掲げ、大勝する。選挙戦術としてはともかく、政権獲得後の混乱を思えば、明らかな戦略ミスではなかったか。

 党内基盤の根幹は、何はなくとも地方組織の拡大であり、政権政党としての信頼は、議員たちの行政能力に依存する。そのどちらも不十分ななかで、党勢の回復を図り、他党との合併を繰り返して頭数だけ増やしても、それは本当の意味での基盤強化、信頼回復にはつながらない。

-----

■岡田・前原氏、26日ごろ決断=代表選構図、年内にも―民主
(時事通信社 - 12月20日 11:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3194532
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する