■獺狐余話(24)　/　「素数ゼミ」の話(11)

●2014年08月28日（木）　　未明

　▼「ナラトさん。

　　　何してるんですか？」


　　「ああ、今ね、ちょっと

　　　むかし、宮崎にあった喫茶店のことを思い出してね・・。

　　　それで、ホームページの『もっと音楽を！』を

　　　更新しようかと思ってるんだ・・」



　　「ああ、オレ、そのページなら見たことありますよ。

　　　『スプートニクス』の特集をやってて、『宮崎あおい』のＣＭを

　　　ページに割り込ませてたやつでしょう。　あのＣＭ、おかしいですよね」



　▼「そう、そう。

　　　そのページなんだけど、もう１か月くらい更新してないので、

　　　そろそろ、新しいの追加しようと思って、さ・・」


　　「ふーむ、それで、その宮崎の喫茶店というのは・・、何ですか・・？」


　　「ああ・・、『ソニー』という名の喫茶店なんだけど、店内が、

　　　いまなら、トロピカルって言うんだろうけど、南国風で、吹き抜けがあり

　　　中二階席があって、テーブルにはガラスがはめ込まれ、椅子の外枠が鉄製

　　　といったデザインの、洒落た店なんだ・・」


　　「夏休み、帰省すると、高校の頃の同級生の仲間と、よく行ったものだ・・」



　▼「なんで、そんな喫茶店を、急に思い出したんですか・・」


　　「いやー、マイミクさんが、『もう夏休みも終わりだ』と書いていたのを

　　　読んで、『夏休みの思い出』というか、夏のムード・ミュージック、

　　　たとえば、『夏の日の思い出』とか、『夏の日の恋』とか、あるいは

　　　『真珠貝の歌』とか、そういう音楽を聴くと、夏への惜別の思いがしてね・・」



　　「なんや、懐メロの話ですか・・」


　　「キツネくん。

　　　きみには、情緒というか、ムードというか

　　　そういうものを解する、気持ちがないのかねー」



　▼「ああ、ナラトさん。

　　　それで、きょう日中、暑いさなか、

　　　また、空の写真撮って、『夏の終わりの空』なんて名前で

　　　アルバムにアップしたんですね・・・」



　　「まあ、そうだけど・・。

　　　春を惜しみ、秋を惜しむ。


　　　そして、灼熱の夏だって、いざ過ぎ行くとなると

　　　哀惜の念が湧く、というものじゃないかね・・。　キツネくん」



　▼「へえーっ、そうゆうもんですかね・・・？」


　　「キツネくん。

　　　じゃあ、『素数ゼミ』の話を始める前に、

　　　マントヴァーニ楽団や、パーシー・フェイス・オーケストラ、

　　　ビリー・ヴォーン楽団 の曲をちょっと聴いてみて、


　　　話はそれからにしよう・・」



　▼「それから、日野てる子、という人がいて、この人、ボクと

　　　生まれが数日ちがいなんだけど、
　
　　　あの頃、流行ったんだ・・。


　　　もう亡くなっちゃったけど・・」


　　　
　　
　　　　　







　　　


　　　　　





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