mixiユーザー(id:1040600)

Javascript の設定が無効になっているため、一部の機能を利用できません。

詳細はヘルプをご覧ください。

2014年08月28日04:18

19 view

■獺狐余話(25)　/　「素数ゼミ」の話(12)

●2014年08月28日（木）　　雨

　▼「キツネくん。

　　　どう？　音楽って、いいもんだろう？

　　　うっとりと聴き惚れて、時間を忘れ、今を忘れ

　　　遠い昔の気持ちを、思い起こさせてくれるじゃないか・・」

　　「ナラトさん。

　　　そう言われると、むかし、オレ、ヨットで

　　　太平洋を渡って、南の島に向かった事、

　　　あるじゃないですか。

　　　その頃のこと、思い出しました・・・」

　　　　　

　▼「そうだろう、これらの音楽を聞くと、かつての『夏』を思い出すだろう・・。

　　　匂いが嗅覚に訴えると同じように、音楽も聴覚を刺激して

　　　記憶をいっぺんに、昔に連れていってくれる・・・」

　▼「さて、気持ちをリフレッシュしたところで、

　　　キツネくん。

　　　この『絵』のこと、覚えているだろう？」

　　
　　　

　▼「『絵』の左側には、他の周期のセミと交雑すると、どんどん数を減らし、

　　　やがて、絶滅していく、と書いてあるね。

　　　しかし、そのように言えるためには、いくつか条件があるのだよ。

　　　この、吉村仁さんの『素数ゼミの謎』では、そのへんの事は、子供向けの

　　　『本』ということで、ずいぶん省略して、『素数』の『最小公倍数』は、

　　　そのほかの『合成数』の『最小公倍数』より大きくなる、だから

　　　『素数ゼミ』は交雑する危険が少なく、絶滅せずに生き残った・・、と

　　　結論付けているんだ」

　▼「へえー、そうなんですか・・。

　　　確かに、『素数』は『合成数』より、『最小公倍数』を大きくさせる、

　　　ちゅうことは、オレにもわかりました。

　　　だから、交雑しても、『素数ゼミ』がそのほかの周期ゼミより、減少する

　　　割合が少ない・・、そう言えると思います」

　▼「そう、その通り。

　　　しかしながら、減少速度が遅いだけでなく、さらに、『素数ゼミ』は

　　　数を減らしつつも、生き残る・・、ということを証明しなければならない・・・」

　　「なるほど。

　　　厳密に言えば、そうゆう事ですね・・」

　▼「そこで、この『本』にはない『追加資料』というのを、ボクは

　　　用意したんだ・・」

　　「えっ、ナラトさんが作ったんですか・・？

　　　すごい、でも、それ、『ナラト説』じゃないんですか・・？」

　　「実は、この吉村先生の『素数ゼミ説』も、これは一つの考え方であって、

　　　『吉村説』に反論する先生方もおられるんだ・・」

　▼「へぇーっ、そうなんや。

　　　それやったら、いままで、いろいろ『最小公倍数』の勉強して、

　　　『素数ゼミ』の謎に迫ろうとした、オレの努力も水の泡じゃ

　　　ないですか！」

　▼「いや。キツネくん。

　　　そんなことは、決してないんだ。

　　『科学』というものは、いつも『仮説』というのを立てて、こう考えれば

　　　目の前の現象かどうして、そのようになるのか、『合理的に説明する』ことが

　　できる、という事で、一歩前進するんだ。　もし、それに、どこか不合理な

　　ことがあったり、その考え方では説明のつかない現象が起こったりすると、

　　また、より『合理的な説』が生まれる・・。そうやって『仮説』を立て、

　　これを検証し、また、実験なんかで『実証』して、科学は進歩してきたんだ・・　」

　▼「ふーん、そうですか。

　　　あの理化学研究所の『なんとか細胞』というのも、そうなんですか・・？」

　　「ああ、もう、ここでは詳しくはふれないけど、考えの進め方や、実験の方法に
　
　　　『ごまかし』がなければ、それは『仮説』として認められ、ほかの人たちも

　　　追認試験なんかをして、『仮説』が正しいか、矛盾はないか、調べるんだ。

　　そして、もし、その人たちも認めれば、いちおう、その時点の『定説』となるんだ。

　▼「はぁー、そうゆうもんですか。仲間が認めなければ『定説』にはならないし、

　　　たとえ『定説』であっても、何か新しい事態が起きて、矛盾が発生すれば、

　　　こんどは、この矛盾を解決するための、また、新たな『仮説』を立て、

　　　新しい『定説』を作っていく努力をする、とゆうことですね・・」

　▼「そう、その通り。

　　　で、『素数ゼミ説』も、ひとつの『仮説』であり、このように考えない人も

　　　いるんだ」

　　「じゃぁ、『定説』は・・・？」

　　「それは、まだ確立されてないんだ」

　　「げげげ・・・、『定説』はないんですか・・」

　▼「そうなんだ。『セミ』って、まだまだ、よく解明されていない生き物

　　　なんだ。その生態の実際なんて、誰もよくはわからなんだ・・。

　　　それは、そうだろう。

　　　１３年も、１７年も、地中に潜り込んで、セミと生活をした人なんて

　　　だれもいないじゃないか・・・」

　▼「そうゆわれれば、そうだけど・・・、

　　　科学がこんなに進歩した時代に、なんか、もっと、わかってていいと

　　　オレなんか、思うけど・・・」

　　「そうだね。

　　　人類が生まれたときには、もうセミは大先輩として存在していたけど、

　　　それから１８０万年ぐらい過ぎても、人とセミは、互いによく知らない、

　　　そんな付き合い方だった・・」

　▼「ふーん、そうゆう付き合いだったんですか？」

　　「アメリカでは、『素数』の年にセミが大発生するから注目されてるけど、

　　　では、日本のセミはどうなのか、というと、あるいは、『素数ゼミ』以上に

　　　その実態は、よくわからない・・・、というのが実情のようだ」

　　「ええっ、日本のセミもよくわかってないんですか・・」

　　「そう、セミの寿命だって、いまだ、よくわからないんだ。

　　　種類によって『４年』と言われたり、『６年』いや『７年』、

　　　あるいは、幅をもって『５年から７年』とか、いろいろ言われている」

　▼「日本のセミは『周期ゼミ』なんですか・・・？」

　　「キツネくん。それは重要な質問だ・・、とボクは思うけど、

　　　一般には、アメリカのような『大発生現象』がないので、『周期ゼミ』

　　　とは考えられていないようだ・・」

　　「しかし、キツネくん。

　　　その前に、もっともっと、言葉の『定義』をきっちりしておかないと、

　　　実は、いけないと、ボクは思っている・・」

　　「なんですか・・、言葉の『定義』って・・」

　▼「それは、『周期ゼミ』というのは、ある種類のセミは、

　　　４年、５年、６年と、卵から成虫になって死ぬまで、定まった

　　　ライフサイクルで生活している、と考え、そのような個体のセミを

　　　『周期ゼミ』というのか、

　　　それとも、アメリカで周期的に大発生するセミに見られるように、

　　　現象として発生が周期性持つセミのことを言うのか、という事だよ」

　▼「えっ、待ってください。

　　　それって、同じことじゃないですか・・？」

　　「いや、それは全く異なることなんだよ。

　　　ある種のセミ(個体として同じ遺伝子情報をもっている『同じ種』)が、

　　　かっちり、４年のライフサイクルをもっている場合、これを

　　　「４年ゼミ」という『周期ゼミ』と考えるのか、

　　　それとも、「４年から５年のライフサイクル」もっていて、あるときは

　　　４年で一生を終え、あるときは５年で一生を終えるけれども、５年ごとに

　　　周期的に、そのセミの大発生があれば、このセミのことを『５年ゼミ』と

　　　呼んで『周期ゼミ』と呼ぶことにするのか、この『定義』を明確にして

　　　おかないと、論議は混迷を深めるばかりだ・・・」

　▼「なるほど。ようやくわかりました。

　　　そう考えると、日本のセミが、かっちり４年のライフサイクルを守っていれば

　　　そのセミは、『周期ゼミ』のひとつである『４年ゼミ』であるが、日本では

　　　周期的な大発生はない、という事になりますね」

　　「そして、『４年から５年の不定期』のライフサイクルで暮らしているセミの

　　　場合では、このセミは『非周期ゼミ』のひとつの『４年から５年ゼミ』で

　　　あり、日本では、このセミの周期的な大発生はない、という事態も考えられ

　　　ますね・・・」

　▼「キツネくん。すごいじゃないか、

　　　論理的になってきたじゃないか・・。

　　　では、ボクが、さらに補注を加えておくと、

　　　論理的には、次の４つのケースが考えられる。　

　　　但し、ここで『周期ゼミ』とか『何年ゼミ』とか、という言葉は、個体

　　　そのものの周期性のことである。
　　　
　　　たとえば『４年ゼミ』とは、かっちり４年のライフサイクルをもつセミの

　　　事である」

　▼「では、アメリカで起きているような、周期的な発生と、

　　　日本のように、非周期的な発生(言い換えれば、平均的な発生)は、

　　　どんな原因で起きるのだろうか・・・？

　　　これを、個体の「周期性」のあるなしと、大発生現象の周期性の

　　　有無との関係とで、区分して『表』にまとめると、次のようになる」

　　　　　　　　個体　　　　　　　　　　　発生現象

　　　　　①　非周期ゼミ　　　で　　　非周期発生　する
　　　　　②　非周期ゼミ　　　で　　　周期発生　　する
　　　　　③　周期ゼミ　　　　で　　　非周期発生　する
　　　　　④　周期ゼミ　　　　で　　　周期発生　　する

　▼「うーむ・・・、うむ、うむ・・、待ってください・・。

　　　ナラトさん。

　　　ああ、それって、間違ってます。

　　　あと２つ、⑤の場合と、⑥の場合があります・・」

　　「ぎょ、ぎょ、ぎょ・・・。

　　　キツネくん、それは、本当かね・・？」

　　「ええ、あと、２つ、

　　　　　　　　個体　　　　　　　　　　　　　　　　　発生現象

　　　　　⑤　非周期・周期混合ゼミ　　　で　　　非周期発生　する
　　　　　⑥　非周期・周期混合ゼミ　　　で　　　周期発生　　する

　▼「うーん、なるほど。

　　　キツネくん。実に論理的じゃないか。おみごと。

　　　実際の遺伝学上、遺伝子に、『非周期性』と『周期性』を併せ持ち、

　　　何らかの条件によって、いずれかが発現する、そういう種があるかも

　　　しれない。

　　　たとえ、現実には、そんな『種』はなくても、論理学的には、キツネくんの

　　　『表』(６通り区分)の方が、より厳密で正しいと思う。

　▼「ただ、思考実験をする場合は、あまりに現実に近づけすぎて、モデルを

　　　複雑にすると、基本的な構造が不明瞭になったりする。

　　　いまの場合は、①から④だけを考えるだけでも、いいと思う・・。

　　　けれども、キツネくんが、⑤や⑥の場合を思いついたこと、

　　　いやそうではなて、

　　　そこに考え至ったこと、これは、実に素晴らしい」

　▼「きょうは、ボクの作った『追加資料』を見てもらう予定にしていたが、

　　　そこまで、行かなかったネ・・。

　　　でも、それ以上に、大変、有意義だった。

　　　キツネくん。ありがとう」

　　　★★★　　★★★　　★★★　　★★★　　★★★

　▼「音楽掲示板」案内 ――――　2014/08/28
　　――　" Music is Love in search of a word. "　―――――――――――　
　　

「音楽掲示板」
　　

「きょうの一曲！(動画)｣　

(listen)　←8/28「六本木海峡 / すぎもとまさと」
　　

「きょうの一曲！号外」　

(sample)
　　

「もっと音楽を！」
　　

「ＢＧＭチャンネル」　

　　　※ BGM・ラジオ局　「0ch」(24ch)　 8/24 一挙、４chアップ　　←こちらから！！
　　――――――――――――――――――――――――――――――――
　　■yahoo案内
　　　「ホームページ」「naratoブログ」「楢門二樹ブログ」「音楽掲示板」「詩人インデクス」
　　――――――――――――――――――――――――――――――――
　　■「音楽ブログ」案内
　　　　※ 「音楽ブログ(1)」　：楢門二樹ブログ/「きょうの一曲！」
　　　　※ 「音楽ブログ(2)」　：naratoブログ/「ＢＧＭ / ラジオ局」
　　　　※ 「音楽ブログ(3)」　：キツネのブログ/「次の一曲！（候補曲）」
　　――――――――――――――――――――――――――――――――
　　■新「narato　スペシャル」案内
　　　　※ 新「narato　スペシャル」　：
　　　　「他力思想への視座　――　植木等のスーダラ節」　山本伸裕（東京大学特任研究員）
　　――――――――――――――――――――――――――――――――
　

1 0