●2014年08月24日 (日) 曇り ときどき 雨
▼「キツネくん。
こうやって、二人して遊んでいる訳だけど、
ときどき、申し訳ない気分になるときがあるんだ・・」
「えー、それ、なんですか?」
「いやぁ、遊び呆けて、これでいいのか、
と思ったりしてね・・」
「ナラトさん、それは反省ですか?
イイモトさんが、何もすることがないと言って
悩んでるときには、何かしなければならないと『反省』するな、
って、言っていたんじゃないですか・・」
▼「それは、そうなんだけど・・・」
「じぁ、ナラトさん。
オレといっしょに、ハローワーク、行ってみませんか・・?」
「それは、冷やかしかね?」
「いいえ、本気ですよ!
今、高齢者で仕事を求めている人はいっぱいいます。
70歳すぎても、そうしないと暮らせない人もいます。
ナラトさんも、そうやって、必死になって仕事を探してみては
どうですか?
そうすれば、もっと自分の置かれている状況を自覚するんじゃ
ないですか?」
▼「確かに・・・、
キツネくん。きょうはヤケに張り切っているじゃないか」
「そりゃあ、そうですよ。
オレに、勝手に『宿題』なん出して・・・!!」
「ああ、それで怒っているわけか・・・」
「いいえ、別に怒っている訳ではありません。
人の身に立つ、ちゅうことが、いかに難しいか、
そうゆうことです」
「ほんと、キツネくんの言うとおりだ・・」
▼「じゃあ、キツネくん。
『宿題』は、やってきたんだね?」
「ほらっ、そうやって、すぐ突っ込んでくるでしょう。
オレは、オレなりに考えてみたんです・・。
オレが数字を使うのは、ニワトリの数を勘定するときくらいで、
セミに『素数』が必要であっても、オレにはどうでもいいことなんです」
「キツネくん。
きみは、セミが『氷河期』をどう凌(しの)いだか、
そのことに興味を抱いたじゃないか」
「それは、オレも、凌がなければならない時があるからです。
セミの知恵が、キツネにも役立つ、って事はあるでしょう・・」
▼「まあ、すぐに役に立つかどうか、
それは、はっきりしないが、数を使って考えるということは
いろいろな場合に応用できるからね。
では、『絵』を見ながら、いっしょに考えてみよう」
▼「この『絵』を見ると、2、3、5、7、11、13、17、19
それから、23、が、赤い大きな数字で書かれている。
これらの数が、実は、『素数』なんだ。
『絵』は、23の所までしか描かれてないけど、23より
大きな数の『素数』は無限にあるが、それは省略しています・・、
という意味なんだ」
「ああ、なるほど。
なんで、21から24の行の、下のほうが切れとるのかと
オレ、思とったんや。23より大きい『素数』ちゅうの、
省略、という『絵』なんや・・・。うまいこと描いている
やないか」
▼「キツネくん。
こんどは、小さい、青いほうの数を見てみよう。
すると、1を除いて、みんな、数字の下に、= で、
書かれた、掛け算の式があるだろう・・」
「ああ、4は、=2×2、 6は、=2×3、と書いてあります」
「そう、それ。
キツネくん、簡単な掛け算だからわかると思うけど、たとえば、
6は、2の3倍であり、3の2倍でもある。
別の言い方をすれば、6は、2でも3でも割り切れる、という
性質をもっているだろう?」
「ああ、そこまで言われると、
バカじゃないから、オレでも、わかります・・・」
▼「キツネくん。
それじゃあ、『素数』ってどんな数か、定義してみよう!」
「『定義』って、それ、なんですか。ときどき、聞きますし、
大体の意味は耳学問で知っていますが、正面切って、『定義』って
ゆわれると、オレ、説明でけへんわ」
「ああ、ボクも同じだ。
日常生活では、『定義』しなくても、お互い、分かった気でいるから、
それで十分だからさ。
しかし、『学問の世界』では、言葉を使って、考えを進めるから、
対象となる事柄の『意味』は、当事者間で、その言葉の正確な意味、
つまり『定義』をしっかり決めておくことが、まず、はじめに
必要になってくる。
日本の法律を見ても、まず最初のほうで、「第○条 (定義)、この法律で
『○○○○』とは、『△△△△』をいう」と、条文の中で定義しているよ」
▼「へえーっ、そんなもんですか、
なんかカタグルシイですね・・・」
「あっ、また横道にそれちゃったが、
『素数』とは、1 と自分自身以外に正の約数を持たない自然数で、
1 でない数のことである、とされている。
簡単に言えば、『割り切れない数』のこと・・、言い換えれば、
ほかの数の倍数(何倍かした数)ではない数のこと、・・・」
「なんか、言葉がややこしいですが、だいたい、わかりました」
「それで十分、まあ、マイミクの数学に関心のある方には、
ウィキペディアを
見てもらうことにして、次に進もう・・」
▼「さて、キツネくん。
いよいよ大詰めだ。
キツネくん。
セミたちの、生き残り戦略の最大のポイントは、何だったかね・・?」
「それは、自分たちの仲間を後世に残すために、自分と同じ周期の仲間のセミと
交尾することです」
「そうだったね。言い換えると、それは、違う周期のセミと出会わないこと、
そういうことだったね・・・」
「はい、それは了解しています・・」
▼「それでは、どうやったら、別の周期のセミと出会わないようにすることが
できるだろうか・・・」
「ずっーと長いこと、地中で暮らして、たまにしか、地上に上がってこない
ようにすれば、ほかのセミに出会うことはない、と思います・・」
「おや、おや、それじゃ、ほかのセミに出会わないかもしれないが、
仲間のセミにも出会わない、繁殖をあきらめ、自滅の道を自ら選ぶ、
ということになる。
地上に出てきて、交尾することこそ、目的なのに、それじゃあ
自分本位の、本末転倒の考え方ではないだろうか?」
「あははは・・、ほんまですね。
オレ、なに考えておったのやろ・・・」
▼「キツネくん。
ほかの周期のセミと出会わない方法を考えるときに、役に立つのが
実は、『素数』なんだ!」
「えっ、それ、どうゆうこと・・・?」
「さっき、『素数』と『素数でない数』(これを『合成数』という)の
ふたつの数の性質を見たけど、『素数』は約数をもたないけど、
『合成数』は約数をもっている・・、と言えるだろう」
「ええ、ちょっと待ってください、『約数』って、割る数のこと?」
「そう、その通り・・。
割られる数を、割る数で割る、これが割り算だけど、
たとえば、6は、2でも割り切れるし、3でも割り切れる。
だから、6は、「2」と「3」、ふたつの『約数』をもつ『合成数』だ。
ところが、7、7は、7と1でしか、割り切ることができないから、
『素数』である」
▼「ナラトさん、それ、さっきの繰り返しじゃないですか、
オレ、もう知ってます・・・」
「じゃあ、次だ。
いま、ある周期のセミが、ほかの周期のセミと出会う、
ということは、どういうことだろう。
いま、仮に、ある年、地上に出てみたら、たまたま、
自分とはちがう周期のセミとであったとしよう・・」
「では、キツネくん。
その次に、その違う周期のセミと出会うのは、いつだろう?」
「ええ、具体的にゆうてもらわんと、考えられません・・。
何年ゼミと、何年ゼミが出会う場合か、ゆうてもらわんと
考えられへんやないですか・・」
▼「そうか・・。
では、2年周期のセミ、つまり、卵が幼虫になって地中にもぐり、
羽化して地上に出てきて、交尾し、死ぬまでのサイクルが2年のセミが
いたとして、これを2年ゼミと呼び、同じように、そのサイクルが3年の
セミを、3年ゼミと呼ぼう・・」
「あははは・・・、ナラトさん、それ、『定義』ですか・・」
「うん、簡単な『定義』だけど、そうすると、キツネくん、
2年ゼミと3年ゼミがある年に出会って、次に出会うのは何年後だろうか・・」
▼「ナラトさん。ちょっと待ってくださいね。
オレ、考えますから・・。
2年ゼミは、次に地上に出て来るのは2年後でしょう、そして
その次は4年後、またその次は6年後・・・、簡単やないですか、
2、4、6、8、10、12、14、16、18、20・・、
なんぼでも言えますよ」
「じゃあ、3年ゼミが地上に出て来るのは・・?」
「ナラトさん、待ってくださいね・・、
ええと、3年後、6年後、9年後、・・、ああそうか、3を順番に
たしていったらええから、
3、6、9、12、15、18、21、24、27・・・、
3の九九じゃないですか!」
▼「キツネくん。
その通り、ある周期ゼミの次に地上に現れる年は、倍数の年だから
九九になるじゃないか・・」
「なあーんだ、簡単ですね・・」
「ちょっと、キツネくん。
これは、今、それぞれの出現する年を調べただけで、出会う年じゃないよ」
「ええ、わかってます。
2年ゼミと3年ゼミが出会う年でしょう・・、両方に同じ数字があれば、
それは出会う、ちゅう事でしょう」
▼「すばらしい・・!、
その通りだよ!」
「また、また、おだてて・・、
えーと、2年ゼミと3年ゼミが出会うのは、
6年後、12年後、18年後、24後、30年後、36年後・・、
あれっ、これ、6の倍数の年じゃないですか・・」
「そう、その通り、すごい、すごい・・!!」
「ナラトさん、それ、やめてくれます・・、
オレ、馬鹿にされてるみたいで・・、
かえって、やる気なくすから・・・」
▼「ごめん、ごめん、そんな積もりは、毛頭ないよ。
ほんとうに、キツネくんが自分の頭で考え、自分の力で
発見したことを称賛しているだけだから・・・」
「なら、いいですけど・・・」
「キツネくん、いま見た、この2と3が出会う数、つまり、
2と3の『公倍数』、これが、2年ゼミと3年ゼミの出会う年に
なっている、という事だね・・」
「ええ、そうです」
「2と3の『公倍数』の中で、最小のもの「6」のことを、これを
『最小公倍数』といい、『最小公倍数』を2倍、3倍、4倍・・、
と、順に『最小公倍数』を加えていった年に、2年ゼミと3年ゼミは
出会う、ということだね・・」
▼「ええ、そうです」
「キツネくん、きょう『最終回』にするつもりだったが、ここらで
ちょっと休憩して、こんどこそ、本当に、おしまいにしよう・・」
「ああ、それがいいです。
実をゆうと、オレも頭、使いすぎて、少々、疲れてきとった所やねん。
コーヒーにしましょう」
★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
▼「音楽掲示板」案内 ―――― 2014/08/24
――
" Music is Love in search of a word. " ―――――――――――
「
音楽掲示板」
「
きょうの一曲!(動画)」
(listen) ←8/24「ハートブレイク・ダンディー」
「
きょうの一曲!号外」
(sample)
「
もっと音楽を!」
「
BGMチャンネル」
/
/
/
/
/
/
/
/
/
※ BGM・ラジオ局 「0ch」(24ch) 8/24 一挙、4chアップ ←こちらから!!
――――――――――――――――――――――――――――――――
■
yahoo案内
「
ホームページ」「
naratoブログ」「
楢門二樹ブログ」「
音楽掲示板」「
詩人インデクス」
――――――――――――――――――――――――――――――――
■
「音楽ブログ」案内
※
「音楽ブログ(1)」 :楢門二樹ブログ/「きょうの一曲!」
※
「音楽ブログ(2)」 :naratoブログ/「BGM / ラジオ局」
※
「音楽ブログ(3)」 :キツネのブログ/「次の一曲!(候補曲)」
――――――――――――――――――――――――――――――――
■
新「narato スペシャル」案内
※
新「narato スペシャル」 :
「他力思想への視座 ―― 植木等のスーダラ節」 山本伸裕 (東京大学 特任研究員)
――――――――――――――――――――――――――――――――
ログインしてコメントを確認・投稿する