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2014年04月19日22:13

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【音楽】 NHK交響楽団定期演奏会 〜N.ヤルヴィの北欧音楽

今日はNHK交響楽団の定期公演を聴きに行った。
本日のプログラムは次のとおりである。

・グリーグ:「ペール・ギュント」組曲第1番
・スヴェンセン:交響曲第2番
・シベリウス:交響曲第2番

  指揮:ネーメ・ヤルヴィ
  会場:NHKホール

ヤルヴィ一家の長老ネーメが振る北欧作曲家の名曲演奏会。これは絶対に外せない演奏会で、早々に行く予定にしていた。

ネーメ・ヤルヴィの録音のCDは結構持っているが、そもそもの始まりはシベリウスであった。まだクラシック音楽を聴き始めの頃、シベリウスは交響曲第2番かヴァイオリン協奏曲かフィンランディアぐらいしか知らないような状態の時に、もう少し他の曲も聴いてみようかとCDを買っていたのが、BISレーベルから出ているネーメ・ヤルヴィの録音である。したがって、シベリウスの管弦楽作品のほぼ全部が、ネーメ・ヤルヴィの指揮による演奏が自分の中で標準になっているのである。その後色々な作曲家の作品を聴くようになったが、ヤルヴィが録音していなければ一生聴く機会がなかったであろう作曲家は多いかもしれない。

さて、会場に着くと今回は客の入りがかなり良いようだ。オケの音合わせが終わり、ヤルヴィがステージに登場すると、ものすごいオーラが感じられた。

1曲目はグリーグの「ペール・ギュント」組曲第1番である。「朝」、「オーセの死」、「アニトラの踊り」、「山の上の宮殿で」の4曲から成る組曲だ。超有名な曲であるが、だからという訳ではないが、自宅でCDで聴く時はいつもなんとなく流しているような気がするが、こうやってコンサート会場でじっくり聴いてみると、各曲の面白さがよく分かる。

ヤルヴィは、年齢のせいもあるかもしれないが、あまり大きな身振りをしない。指揮棒が止まっているのではないかと見える時もあるが、そのわずかな動きから、見事にN響から素晴らしい響きを引き出していたように感じた。「朝」から素晴らしい響きで、4曲目の「山の上の宮殿で」など、ちょっと不気味な雰囲気も秀逸だった。

2曲目は、今回のプログラムではややマイナーなスヴェンセンの交響曲だが、グリーグがこの曲を聴いて自信をなくしたのか、自らの交響曲を演奏禁止にしてしまったという作品である。もちろんこの曲のCDも持っていて時々聴いている。最近ヤルヴィがベルゲン・フィルを振って再録音した盤がお気に入りである。今日はそのヤルヴィの指揮で生で聴くのである。ノルウェーの田舎を思わせるような(?)どこか牧歌的な雰囲気もあり、もともと好きな曲なのだが、こうやってじっくり聴くと実によく出来た作品だと思う。聴いていて幸せになるような曲である。

休憩のあとは、本日のメインであるシベリウスの2番だ。これはもう言うことないだろう。さすがとしか言いようがない。超有名な第2番であるが、このような名演で聴くとやはり素晴らしい曲であることを再認識するのである。無駄なところがなく自然に流れて、しかもオケが十分に鳴っていて、全く退屈するところがなかった。今まで生演奏で聴いたシベリウス2番の中でもベスト1と言っていい。

演奏終了後の万雷の拍手の中、何度もステージに呼び戻されたヤルヴィだが、ちょっとおどけた仕草も見せて、「ちょっと疲れたからこのぐらいにしてね」と言っているようにも見えた。 (したがってアンコール演奏はなし。)

あくまでも個人的感想だが、最近行ったN響の演奏会では(あまり頻繁に行ってないけど)、ベスト1候補の筆頭だ。ただ、少し残念だったのは、演奏中の会場の誰かの咳が少し気になったことと、演奏終了後に余韻に浸る間もなく、ブラヴォーの声があがったこと。でも、演奏自体は良かったから、そんなことはどうでもいいか。

2月にもN響定演でシベリウスを聴いたが、その時は尾高忠明さんの指揮。その時も十分に楽しめた演奏会だったが、それが吹っ飛んでしまうくらいの演奏だった。会場をあとにしてもしばらく感動に浸っていたく、すぐに電車に乗る気にもなれず、明治神宮の中を抜けて新宿まで歩いていった。
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