mixiユーザー(id:60260068)

2014年02月24日01:41

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『恋闇』


溢れかえるほどの血をおくり
押し潰されそうな苦しさを与え
そこから逃げよと言わんばかりに
恋女に向かわせようとする者よ

この孤独な静寂に閉じこめられた男に
今、何が出来ると言うのだ

満月の夜に吠える犬の哀しい調べが
うつ伏せでうずくまる耳をこじ開け
食い縛る歯をきしませながら
地底の闇からうなり声がもれる

細く高らかに響く鳥のさえずりも
白く透きとおる翅のはばたきも
近づける両手の前で黒い煙と果て
梟の翼と化した影に逃げまどう

"光よ我にそそぎたまへ"

窓硝子に光る一筋のつゆに虚しく溺れる



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