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2020年02月02日18:39

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【番外編】第10回「あの日、あの時、思い出が蘇る昭和の流行歌」鑑賞

 フランク永井と直接的な関係はない。だがフランク永井ファンのお仲間である方がけっこう多い「一般社団法人東京ラジオ歌謡を歌う会」が主催し、公益財団法人北区文化振興財団が後援する催しがあり、観る機会あったのでご報告。
 歌う会では、ラジオ歌謡を後世に受け継ぐ活動をメインにしているが、その時代から現在までの大衆文化である歌謡曲・流行歌にも関心が深く、さまざまなところで歌っている。春から初夏のラジオ歌謡の発表会とは別に、主に流行歌を対象にした発表会もこのように開催している。
 およそ50曲が披露された。当然ここに集まる方々も観客も年齢のいった方が多い。だが、その年季の入りようは半端ではないだけに、プロの歌手も交じってはいるが、ほとんどプロ以上ではないかと感じる歌い手が何人もいる。
 流行歌のカラオケ大会というものだが、ちゃんとした会場で入場料もあり、立派な舞台だ。音響もいい。演奏と歌唱のバランスも手慣れたもので、そつがない。
 歌はテレビでの番組とことなり、1番や2番だけのブチ切りではなく、フルの演技になる。うまい歌唱にはうっとりする。この公演を観てよかったなという満足感を呼ぶ。
 司会は運営の功労者でもある鎌田恵二(敬称を略させていただく)。ソロコーナーでは以下のような曲が歌われた。
 「素敵なランデブー」「月がとっても青いから」。戦時歌謡の「あゝ草枕幾度ぞ」。「瀬戸の花嫁」「野球小僧」「マリモの唄」「東京のバスガール」。三浦洸一の「東京の人」「落葉しぐれ」。曽根史郎「僕の東京地図」。林伊佐緒「ダンスパーティーの夜」は尾崎のり子がみごとな歌唱を披露した。
 「柿の木坂の家」。「港に灯のともる頃」は柴田つる子の名曲。「哀愁のからまつ林」は島倉千代子の曲。「高原列車は行く」「喜びも悲しみも幾年月」。星野哲郎の作詞で津軽ひろ子がB面で最初に歌ったが注目されず、ちあきなおみがカバーして多くの人の耳に触れ、最近は神野美伽が歌って注目をあびている「帰れないんだよ」。
 続いて「智恵子抄」「サロマ湖の歌」「関東春雨笠」「夢淡き東京」「ふるさと列車」「憧れの住む町」「浅草姉妹」「青春の城下町」「長崎の蝶々さん」と。美空ひばりの曲が3曲。やはり藤山一郎、岡本敦郎、二葉あき子の曲も複数ある。
 さらに「早春賦」「からたちの花」「高原の宿」。平野愛子の「白い船の入る港」。「古城」「大利根無情」「愛の賛歌」「赤いランプの終列車」と続いた。
 デュエットのコーナーでは、定番の「青い山脈」「お島千太郎旅唄」「いつでも夢を」「高原の月」といった曲。
 特別コーナーは「鐘」。戦争孤児を描いた菊田一夫原作NHKラジオドラマ「鐘の鳴る丘(とんがり帽子)」の主題歌で古関裕而作曲作品。他に「チャペルの鐘」「ニコライの鐘」。「フランチェスカの鐘」はやはり同会の功労者後閑昌子のすばらしい歌唱。「長崎の鐘〜新しき朝の〜」。
 歌は世につれ、世は歌につれ…ということが言われるが、どの歌の歌詞も曲調も、その時の時代を表現している。少し時が映れば、その歌詞は絶対に出てこない。メロディーもだ。だから、聴くと自分のその時代を鮮明に蘇らす。
 自分のまったく個人的な経験とか、そのとき考えて得いたこととか、嬉しかったり悲しかったこととか。それと歌を聴いたときが重なりって頭に記憶されている。妙なものである。ここに、大衆歌謡の存在価値がある。
 人は誰でも喜怒哀楽がある。落ち着かせる必要があるとき、高揚させるべきとき、沈んだ気持ちから抜け出すときといったときにも、好きな歌を聴くと実際の効果がある。
 だから、歌はまったく個人的な嗜好品。そのあたりは、ひとりひとり別物。聴くだけでも、自分が歌っても、気持ちをプラスにしてくれる。豊かにしてくれる。
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