mixiユーザー(id:1940449)

2019年12月10日21:24

60 view

12000年前に何が起きたのか?  3.

よく考古学者や文化人類学者で言われるのが
古代において宗教的影響力は強く
様々な祭祀を中心として社会が回っていた
というような話だろう
最近はそうでもないが
ほんの一昔前までそのような見方は強かったのではないか

実際に先史時代の人類は
それほどまでに信仰心が強く
祭祀をそこまで重要視していたのだろうか?

宗教的は意識が芽生えたのも
ほぼ12000年前のことだ
原始的な宗教感覚は
おそらく共同体の拡大と無関係ではない
もちろんその時代は今後の発掘物によって数千年単位でずれるだろうが
およそ最後の氷期が終わる前後とみて間違いないだろう

共同体のコミュニケーションが複雑化すれば
当然そこに対立する意見に対しての公平な裁定者が必要となる
最初は親族の年長者に
次第に大きくなる共同体は
直系の親族ではない裁定者を必要とし
その場合 おそらくは年長者から選ばれただろう
外側前頭前野が発達するのは成長の一番最後であり
およそ二十代半ばで完成する
そこから様々な経験を積み
少なくとも30代半ば以降
おそらくはもっと上の年代がごく初歩的なリーダーシップを握ることになる
単なる経験値の大小ではないのだ

現代でも10代から20代にかけての子供が
大人の行為がバカに見えたり
どうしてこんなことがわからないんだ的な不満を漏らすのは
こういった発達過程にあるからで
歳食ってから当時を思い出すと
恥ずかしさに布団の中で七転八倒することになるので
若者は気をつけたほうがいいw

そして そういったコミュニケーションに
方向性を与え 説得力を持たせるのが
宗教の原始形態としてのシャーマニズムだ

シャーマニズムはその定義が難しいが
現在ではより大きな範囲を含むものとされ
あらゆる宗教の原型として
世界で平衡進化した心の有り様だと見ていい

このシャーマニズムが発達したのが12000年ほど前であるから
それ以前に人類に宗教的感覚はなかったということになる
いわば 宗教的感覚がゼロからの出発地点であるから
古代において 「宗教的感覚が強かった」
という話は当然ながら矛盾を含んでいる
どちらかといえば
先史時代から現在に至るまで
宗教的感覚は絶え間なく強化され続けていると解釈すべきだろう

未開の土人であった先史時代の人類は
容易に非科学的なものを信じる傾向があるから
精霊や祖霊の声に従ったのだ
という先入観は捨てなければならない
彼らは そういったものを信じる傾向において
今の我々よりもはるかに冷淡だったのだ


続く
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年12月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

最近の日記

もっと見る