猪木の腕ひしぎ逆十字固めは上田が懸命にロープに足をかけて逃れました。両者再びスタンドの攻防から一瞬の隙をついて上田はカウンターの急所打ち。
不意を突かれた猪木はダウン、上田はチョーク攻撃を見せながら、巧みに猪木の身体をロープに近い方に押し込んでいきました。
上田はストンピング、猪木の上半身がエプロンに出てしまいました。リング下には無数の五寸釘を敷き詰めたボードが!
立ち上がる猪木に上田はフロント・ヘッドロックに見せかけてのフロントチョーク、猪木の身体を場外へ落とそうとします。
猪木は左足をロープにかけて宙吊り状態、上田はそこへストンピングのラッシュ、猪木のバランスが大きく崩れました。
舟橋アナ「危ない!」
レフェリーのミスター高橋が割って入り上田の身体を押さえて注意。
この間にエプロンづたいに歩きコーナーポストの外側を回ってリングに生還を果たした猪木は反撃に出ました。上田の左腕を取ってアームブリーカー。
猪木は上田の左腕を極めた状態でうつ伏せにしてマットに押さえつけるエグい腕殺しを見せた後、74年6月26日、大阪府立体育会館でのタイガー・ジェット・シンとのNWF世界ヘビー級選手権試合でシンの腕を骨折させた(とされる)ショルダー式のアームブリーカーを連発。
桜井さん「これはねぇ、左腕が完全にやられていますよぉ!」
舟橋アナ「これは折れていますか!?」
猪木はさらにアームブリーカーを続けていきます。
桜井さん「これはねぇ、レフェリーが処置(早急にレフェリーストップで試合を終わらせる意)を遅らせると上田君の左腕は使えなくなりますよ!」
ここで上田のセコンドについていたシンがタオル投入。高橋レフェリーはゴングを要請、11分2秒、猪木のTKO勝ち(公式にはKO勝ち)が宣せられました。
舟橋アナ「桜井さんっ、これは腕が折れたということなんですかねぇ」
桜井さん「これはねぇ、タイガー・ジェット・シンも自分がやられているから(上田の状態が)わかるんでしょうねぇ!これは『勝負あり』ですねぇ」
桜井さん「やはりねぇ、これは結果論になりますけどねぇ、上田君の選手生命を考えますとですねぇ、試合を止めて正解ですねぇ!」
リングに上がって来たシンに「何故止めた!」と食ってかかった上田ですがこの辺りはヒールとしての矜持だったと思います。
高橋レフェリーがシンが持って来たタオルを三角巾代わりに巻いて応急措置をしました。
しかしそこへ猪木がやって来て上田の痛めている左腕にパンチ。ダウンする上田にストンピング、シンが止めに入り猪木と一触即発の険悪な雰囲気となりましたが乱闘とはなりませんでした。
猪木は74年のシン戦同様、上田の左腕を破壊し制裁を加えて見せました。
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