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2024年04月26日14:48

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読書日記N o.1611(時空を超えた東京の旅へ)

■鷹野晃「定点写真で見る東京今昔」2024年3月光文社新書

「東京は普請中の街である」。

そんな言葉を、何かで読んで記憶していましたが、何だったのか記憶は飛んでいます。
でも、記銘していたのは、なるほどと、深く腑に落ちたからです。

令和の今でも、東京駅周辺も、新宿駅周辺も、渋谷駅周辺も、再開発の大規模工事が、
終わるともなく続いていて、街は、刻々と姿を変えつつあります。

本書の著者は、1960年生まれの写真家で、ライフワークとして、東京を独自の視点で
撮り続けている人とのことです。

そんな著者が、見つけた答えが、定点写真とのことだったようです。

惹句を引用します。

”どのような写真なら東京の魅力を伝えられるのか。40年ほど撮り続け、見つけた答え
のひとつが定点写真でした。古写真と同じ場所を新たに撮影する手法は、変化したもの
とそうでないものを一目瞭然にしてくれます。(中略)この旅に欠かせないのは
「空想力」や「妄想力」です。”

本書の帯には、以下の文言が。

”江戸・明治・大正・昭和。破壊と創造の首都比較。40年の集大成。写真点数451点
収録。”

章立てと、小見出し(どこの場所の定点写真か)の抜粋を紹介。
昔の写真と対で、2023年の写真が掲載されています。

■第一章 江戸時代
・王子の料理屋(1859),島原藩下屋敷(1863)、亀戸天神太鼓橋(1868)
■第二章 明治時代
・お茶の水(1872)、銀座七丁目(1880)、新橋停車場(1887)、溜池山王(1875)
 神田川昌平橋(1868)、柳橋(1880)、工部大学校(1875)、弁慶堀(明治期)
 愛宕山男坂(1890)、石川島造船所(1903)、銀座街頭の街鉄(1903)
■第三章 大正時代
・渋谷公園通り(1922)、日本橋魚河岸(1923)、隅田川永代橋(1923)
 日比谷交差点(1923)、皇居前広場(1923)、上野駅(1923)
 両国旧国技館(1923)、浅草凌雲閣(1900)、西郷隆盛像(震災後)
■第四章 昭和時代【戦前戦中編】
・築地市場(1935)、日本橋白木屋(1932)、浅草神谷バー(1945)、
 九段軍人会館(1934)、銀座四丁目教文館前(1945)、上野駅(1945)
 汐留川土橋(1927)、昭和通り江戸橋付近(1928)
■第五章 昭和時代【戦後編】
・佃島住吉神社神輿(1956)、上野不忍池(1947)、池袋東口付近(1953)
 飯田橋神楽坂(1959)、数寄屋橋交差点(1960)、東十条商店街(1962)
 原宿国立代々木競技場(1963)、練馬谷原ガスタンク(1964)

街の変貌を、このように、定点で比較写真として掲載されると、タイムマシンに乗った
ような不思議な感慨に浸されます。

人や街の相貌は変われど、地形は変わらず、人の営みが、脈々と継承されていることに
深い感慨を感じます。

まぁでも、この連休に、東京の街角へ出るのは控えようかなとも、思っています。
円安で、海外からの観光客でごったがえしでいることは、確実です。(汗)
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