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2024年02月18日17:13

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読書日記N o.1595(あの熱い時代は何だったのか)

■池上彰「昭和の青春 日本を動かした世代の原動力」2023年11月講談社現代新書

今年は、はや令和6年。昭和は遠くなりました。

俳人の中村草田男が、「降る雪や明治は遠くなりにけり」という句を詠んだのが
昭和6年なので、あやかって、昭和を偲んだ次第です。

折しも、2023年のGDPがドイツに抜かれて世界4位になるというニュースが流れ、
ました。高度成長期で、GDPが世界2位になったのは、昭和40年代でしたですね。

先月には、半世紀前に爆弾テロで指名手配されていた「犯人」が、末期がんで没する
前に名乗り出たという、タイムマシンの解凍のようなニュースもありました。

30代以下の若い世代は、平成生まれなので、昭和生まれは中高年以上となり、生まれ
育った時代を偲ぶには、ひとつのタイミングかもしれないですね。

過去は、美化しがちのところもありますが、振り返れば激動の時代でした。

そんな気持ちになり、手に取ったのが本書です。

惹句を紹介しますね。

”あの熱い時代は、何だったのか。”

”学生運動、高度経済成長、新たな文化、そして繁栄の「陰」・・・。
池上彰が実体験を交えて語る、現代日本の「源流」。”

目次と小見出しの抜粋も紹介します。

■第1章 青春の学生運動
・なぜ60年代に学生運動が盛り上がったのか
・学生運動に世間が同情的だった理由
・学生運動が急速に勢いを失った理由
・学生たちの挫折と転向
■第2章 青春の高度経済成長
・人々の生活を劇的に変えた「三種の神器」
・バナナは贈答品、卵は病気の時だけ食べられるもの
・汲み取り式便所が当たり前、水洗便所は珍しかった
・モーレツに働けば働くほど豊かになった
■第3章 青春の昭和文化・社会風俗
・ビートルズがもらたした自由の風
・テレビドラマで知るアメリカの豊かな生活
・登場人物の葬儀が行われた「あしたのジョー」
・海外への憧れを掻き立てた「何でもみてやろう」
■第4章 新たな時代を切り拓いた人物たち
・日本の未来地図を描いた「田中角栄」
・スーパーマーケットの覇者・ダイエー中内功
・消費に文化を持ち込んだセゾングループ堤清二
・新しい皇室像をつくった昭仁上皇・美智子上皇后
■第5章 高度経済成長と繁栄の「陰」
・企業が原因を認めず被害が拡大した水俣病
・ゴミ処理が追い付かず「東京ゴミ戦争」勃発
・第四次中東戦争とオイルショック
・沖縄返還と現在も残る米軍基地問題
■第6章 「昭和の青春」世代のこれまでとこれから
・給与は頭打ち、負担は増加する現役世代の苦難
・団塊の世代の高齢化が引き起こす「2025問題」
・若い世代への思いやりと「自立」した生き方
・社会との関わりの維持が元気に生きるカギ

現代の現状があるのは、過去の蓄積あってのことなので、現状の光と陰の源は
過去にあります。

それは、現状を変えるヒントも隠れているので、若い人にも知ってもらいたい
ですし、昭和時代に青春を送った世代である中高年も、過去を美化して振り返る
だけでなく、若い世代に何を残せるかも、考えてもらいたいですね。
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