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2020年09月13日19:36

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【音楽】 東京交響楽団演奏会@ミューザ川崎

久しぶりに東京交響楽団の演奏会に行った。6/26以来である。今日のプログラムは次のとおりである。

 ・スッペ: 喜歌劇「詩人と農夫」序曲
 ・ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第0番
 ・プロコフィエフ: 交響曲第5番

   指揮:原田慶太楼/ピアノ:鐵百合奈
   会場:ミューザ川崎 (14:00 開演)


COVID-19の影響で停滞していたコンサートも、徐々に通常の状態に戻りつつある。とはいっても、今日は相変わらず、マスク着用必須だし、入口では体温を計測され、プログラムも手渡しされず、チケットも自分で半券を切って箱に入れるなど、対策は継続されている。席も前後左右が空席になるように指定されており、まだ満席は解禁ではない。

さて、今年はベートーヴェン生誕250年ということで、ベートーヴェンの作品の中でも、演奏される機会が少ないものも演奏会のプログラムに取り上げられている。今日のピアノ協奏曲第0番もそうである。「第0番」という言い方をするとは実は知らなかったが、ベートーヴェンが14歳の時に作曲した変ホ長調の協奏曲である。自筆譜は失われ、筆写譜のピアノ独奏パートのみが残っているという。この譜面に管弦楽の前奏や間奏も書かれていて、楽器指定もされていることから、復元版が出来たということである。演奏会で聴いたことはなく、録音も持っていない(存在するのかも不明)ので、全く初めて聴く曲である。これが聴けるから、今日は行くことにしたのだ。

その前に、スッペの「詩人と農夫」序曲から始まる。指揮者の原田さんがステージに現れると、まだ拍手が終わらないうちに演奏が始まった。オペレッタの序曲なんだから、勿体ぶって始めても仕方ないということだろうか。こんな始め方は今まであまりなかったので、少し驚いた。でも、演奏はなかなか良かった。チェロの独奏が美しいメロディーを奏でるところが素敵だ。後半は少し派手気味に盛り上げて華やかに終えた。

つづいては、お待ちかねのベートーヴェンだ。ピアニストは20代の若い鐵さんで、今回初めて演奏を聴く。オーケストラも小編成だ。「第0番」は、モーツァルトなどの流れを受けて、それを14歳のベートーヴェンなりに表現したという感じで、瑞々しさが溢れた音楽であった。第2楽章も実に素敵で、ベートーヴェンの協奏曲は緩徐楽章が素晴らしいという、その片鱗をすでに見せている。第3楽章は明るいロンドであり、聴いていても愉しくなる。ベートーヴェンの曲は、最後がややくどい終わり方をするのも多いが、この曲はなんとなくあっさりと終わったように感じた。ベートーヴェンの秘曲を生演奏で堪能することが出来たのは、うれしいことである。

このあと、鐵さんによるアンコール演奏があった。ベートーヴェンの曲だろうなと予想していたら、そのとおりで、ピアノソナタ第19番から第2楽章を弾いた。アンコール演奏でソナタを弾いてくれるとは思わなかったが、軽やかな感じで素敵な演奏だった。第19番と第20番は、ベートーヴェンのソナタの中では他の曲に比べて軽く見られがちだが、実は素敵な曲なんだと気付かせてくれた。

休憩のあとは、プロコフィエフである。プロコフィエフの交響曲といえば、演奏会では第5番ばかり聴いているような気がするが、今回もやはり第5番だ。独特のプロコフィエフ節というのか、一度聴いたら耳に残る印象的な旋律が随所にあり、やはり聴いていて好ましい曲であることには違いない。今日の演奏も、要所をきちんと抑えつつ、第1楽章の終わりの方などちょっと派手に盛り上げ、軽快に歌うところは十分に歌わせて、最後まで退屈することなく楽しむことが出来た。

約3カ月ぶりのプロオケの演奏会だったが、やはりクラシック音楽の演奏会は楽しい! まもなく会場の人数制限なども緩和されるようだし、ようやく通常状態に戻れると期待できる。ベートーヴェン生誕250年を締めくくる年末の、各地での大合唱団を伴う「第九」演奏会も、無事開催されるよう願おう。
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