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2019年10月31日23:10

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首里城のこと

 今朝、目覚めてすぐ目に飛び込んできたのは、沖縄のシンボルともいえる首里城が業火に包まれ、焼け落ちていく姿だった。沖縄戦で灰燼に帰した首里城の再建がようやく成ったのが2018年、すなわち去年のことだ。

 戦後、首里城跡は琉球大学になっていた。城の復元が本格化したのは、この琉球大学が移転した1979(昭和54)年のことである。当時の沖縄県知事は、保守系(沖縄自民党)の西銘順治で、公共事業を積極的に手掛けたことでも知られる。首里城の復元も、その一環といえるかもしれない。

 首里城のシンボルである正殿などの復元が一段落して、一般に公開されたのが1992(平成4)年のこと。その鮮やかな姿は、翌93年の大河ドラマ「琉球の風」でも視聴者に強い印象を与えた。私もその一人である。
 ただ、建物や瓦の色については、戦前までのものとは大きく異なっている。これは再建時、それを示す史料が確認できなかったからで、のちに沖縄戦で焼失する前のカラー映像がアメリカの公文書館で見つかっている。今後、再建が本格化する際に、そうした齟齬をどうするのかも議論になるかもしれない。

 首里城が炎上しているというニュースを聞いて、真っ先に思い出したのが、この春に起きたフランス・パリにあるノートルダム寺院の火災であった。屋根や尖塔は崩落し、建物自体にも大きな被害が出たものの、石造りであったため、無事だったところも多い。
 首里城の場合は木造である。これまでも、城郭や寺院の多くが火災で焼失してしまっているが、こればかりは現代においても完全に防ぐことはできない。

 しかしそれでも、その時代の人びとが復元、再建を行ってきたことが、こんにちの歴史的建造物として遺されている。首里城も記録の上では、過去四回、焼失したという。世界遺産だからとか、観光名所だからとかいうのではなく、首里城に対する人びとの思いが強くある限り、時間はかかってもきっと再びあの場所に城は建つ。

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■首里城「国挙げて再建を」=与野党発言相次ぐ
(時事通信社 - 10月31日 16:02)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5846916
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