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2019年02月12日20:27

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読書日記Nо.1155(モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語)

■内田洋子「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」2018年4月方丈社刊

私は、mixiで読書日記を掲載して、今回が1155回目になるが、本が
大好きなアマチュアとして、この日記を書き続けている。

職業としても、出版界の末席にいるので、純粋なアマチュアではないかも
しれないが、この読書日記は、純粋に読んだ本の感動を記している。

週に2冊の読書が巡航速度なので、1年に100冊くらいアップしていて
選書は、厳選しているが、でも魂が震える本に出会うのは、年間10冊
くらいかなと思っている。

で、本書は、その「年間10冊」の本のひとつでした。

出会ったのは、休日にいつも行く、紀伊國屋書店新宿店の店頭。
私がリアル書店にこだわっているのは、店頭で、私のネットワークで
キャッチできない本に出会うことができるから。

ネット書店のリコメンド機能をブレークスルーするには、リアル書店の店頭に
限ります。

さてさて、本書でしたですね。惹句を紹介します。

“人々にとって、本が遠い存在だった時代、トスカーナの山深き村に、
イタリア中に本を届ける人々がいた。”

“イタリアの権威ある書店賞〈露店商賞(Premio Bancarella)〉発祥の
地がなぜ、トスカーナの山奥にあるのか?その謎を追って、15世紀
グーテンベルクの時代から、ルネッサンス、そして現代へ。”

“創成期の本を運び、広めた、名もなき人々の歴史が、今、明らかになる。
舞台となった、山深きモンテレッジォ村に居を構え取材した、著者渾身の
歴史ノン・フィクション! ”

著者は言う。

“人知れぬ山奥に、本を愛し、本を届けることに命を懸けた人たちがいた。
小さな村の本屋の足取りを追うことは、人々の好奇心の行方を見ることだった。”

“これまで書き残されることのなかった、普通の人々の小さな歴史の積み
重なりである。わずかに生存している子孫たちを追いかけて、消えゆく話を
聞き歩いた。 何かに憑かれたように、一生懸命に書いた。”

本書は、本にまつわる珠玉のノンフィクションで、本好きの魂が射抜かれる
感動を味わった。

私は、リアル書店の店頭で出会ったが、書評が続々掲載されていることに
後から気づいたので、これも紹介しちゃいます。

●読売新聞(5/7 インタビューより)
「現在のインターネットに匹敵するような情報網を担ったのが、
モンテレッジォの本の行商人でした」

●中日・東京新聞(5/20 中村浩子氏)
「この村の物語は、本の来し方、行く末とも重なる」

● 毎日新聞(5/20 今週の本棚)
「しかし読後に感じるのは、過ぎた時代への憧憬ではなく、
『本』はこれからも人を照らし続けるという希望ではないか」

●BURRN!(6月号 古屋美登里氏)
「内田がモンテレッジォを発見したのではなく、モンテレッジォの
ほうが彼女を発見し、呼び寄せた。 古くから語り継がれてきた物語も
彼女を発見し、幸運にもその物語が本書によって読めるようになった」

●日経ビジネス(5/21号 武田砂鉄氏)
「知らなかったことを知ろうとする時、本はいつだって新鮮な酸素であり続ける」

●サンデー毎日(5/27号 岡崎武志氏)
「美しいカラー写真とともに、我々も、『本と本屋の原点』へ誘われていくのだ」

本好きのマイミクさんに、ぜひ手に取ってと、おすすめいたします(^^♪

あっ、そうそう、この村は優れた出版物に対して、日本の本屋大賞ならぬ、
「露店商賞」を制定していて、1953年の栄えある第一回受賞者は、なんと
ヘミングウェイの「老人と海」だったとのことです。(すごいでしょ)

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