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2017年08月08日22:36

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ファンタジープロレスの巨匠桜井康雄さん追悼(115)

猪木は一瞬のタイミングで札幌でのタイガー・ジェット・シン戦でも見せた側頭部へのジャンピング・ハイキック。

この技は元々モハメド・アリ戦を前に公開スパーリングで実験的に見せていましたが、前77年10月25日、日本武道館でのチャック・ウェップナー戦でトライ。

この時は右足は空を切ったものの、左足が偶然にもウェップナーの側頭部にヒット、フィニッシュとなる逆エビ固めにつながる訳ですが、この時はまだ相手の側頭部めがけて蹴っています。

これにやはり前77年8月2日、日本武道館でのザ・モンスターマン戦で食らったラウンドハウスキックの要素を加えて改良を重ねたのが延髄斬りとなる訳です。

不意討ち的に蹴りを食らった上田はバランスを崩してヨロヨロとロープにもたれかかるようにして倒れ、トップロープとセカンドロープの間から上半身が出てしまい、場外転落の危機に。観客席からどよめきが沸き上がりました。

体勢をたて直した上田は投げからのヘッドシザースへ移行。

舟橋アナ「今のところ、技の数でも上田馬之助の方が先手をいっております。ハンマーロック、返しましたアントニオ猪木」

猪木はタックルから上田を倒しロープから場外へ落とそうとしますがこれはもつれて上田は体勢を立て直します。

上田はヘッドロック、猪木はロープに逃げてパンチ、張り手、再びタックルで倒してからの逆エビ固め。

桜井さん「しかしねぇ、私は日頃から上田君を見ていますけどねぇ、このようなシリアスなファイトって言うのは久々に見ましたねぇ!」

桜井さんの目にも上田の日本プロレス時代に慣らしたレスリングの強さは高く評価されているようです。

猪木は上田の足を取って両足を固めるダブルのアキレス腱固めのような技を出して上田の動きを封じる作戦に出ました。

藤原喜明が頭角を現したり、UWFが出来る遥か前の話で、さらにこの試合はカメラが五寸釘ボードの外側から撮影している為、全体的に引きのアングルになっていて、猪木のサブミッションはどこを極めているかはハッキリ特定出来ず、アキレス腱固めにもヒールホールドにも見えます。

舟橋アナ「ダブル・トーホールドが決まっております!」

桜井さん「これはねぇ、猪木君考えに考え抜いた作戦ですねぇ!」

桜井さんはこの「考えに考え抜いた作戦」というフレーズが好きでよく使っておられました。

猪木は投げから上田の腕を捉えると腕ひしぎ逆十字固め。この時期、猪木が異種格闘技戦でない通常のプロレスの試合で逆十字を見せるのは珍しく、デスマッチならではの展開と言えます。

しかも逆十字に決めている自らの足を上田の頸動脈の辺りに乗せて押し付けているエグさ。

これはチョーク攻撃ではないので反則ではないですが、こういうところに猪木の本来の怖さを見てとることが出来ます。
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