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2016年11月08日20:55

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

ほぼ1ヶ月おきに書いている、最近読んだ本の備忘録。


●「星くずたちの記憶」 (橘省吾著、岩波書店)

地球上に落下した隕石を調べると、そこには宇宙や銀河、太陽系の成り立ちを探る鍵がある。降ってくるのを待っているだけでなく、さらに惑星探査機で積極的に調べに行けば、より一層の発見がある。月の石や彗星や小惑星のかけらなど、「星くず」の中の鉱物には宇宙の過去が刻印されており、その「星くずの記憶」を、宮沢賢治の童話に絡めながら読み解いていく、ちょっと面白い宇宙本である。


●「昭和食道楽」 (矢野誠一著、白水社)

アイスキャンディー、塩煎餅、油揚、とんかつ、チューインガム、オートミル、珈琲、ハム、鰻、蕎麦、鶏卵、汁粉、どぜう、豆腐、ふぐ、ビール。昭和の食に関する、つつましくも健気な記憶を綴った本。ここにあがったものは、平成の現在も普通に食べられるものが多いが、やはり「昭和の食」と「平成の食」は違うものである。著者は私の親世代の人なので、完全に記憶が符合する訳ではないが、昭和時代に青春を過ごした世代としては、共感できる記述も多い。昭和ノスタルジーを感じさせる本である。


●「幽霊 近世都市が生み出した化物」 (高岡弘幸著、吉川弘文堂)

幽霊というと大抵、白い服を着た長い黒髪の女で足がない、ということになるが、そもそもそのような典型はどうして出来たのか、いかにして幽霊が生まれ、どのように「変化」していったのかを、都市の生活文化と絡めて論じた本。日本人が幽霊に込めた怖さとは、結局は人間こそ化物であるという証しであり、それがまさに幽霊を生み出したのだということである。


●「高校入試」 (湊かなえ著、角川文庫)

県立高校の入試前日、県内一の進学校の黒板に、「入試をぶっつぶす!」の貼紙が貼られた。関係者以外は立入禁止のはずだ。入試当日は、一見何事もなく進んでいくように見えたが、試験内容がリアルタイムでネットに実況中継されていることに気付く。そして、持込禁止のはずの携帯電話が、受験生のポケットで鳴る。勝手に上がりこんだ同窓会長や議員の妻、いずれも受験生の親でもある。教師を含む内部の誰かが絡んでいる可能性が濃厚だが、真相は...。 


●「呑み鉄、ひとり旅」 (芦原伸著、東京新聞)

ローカル線に揺られながら、気ままに途中下車する旅には、やはり酒が付きものだ。著者はウィスキーのポケット瓶を旅の友にしているが、私の場合は車中のビール、宿泊地の居酒屋で日本酒だろうか。もちろん、ただの酔っ払い紀行ではなく、旅先で見たもの、聞いたもの、触れたものを、さまざまな思いを込めて綴っており、居ながらにして旅に出た気分になれるような楽しい本だ。「ひろくんの旅日記」のライバル書???
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