mixiユーザー(id:12784286)

2015年10月05日20:35

257 view

【読書】 最近読んだ本 備忘録

不定期に書いている読んだ本の備忘録。今回は3冊だけ。


●「無限小−世界を変えた数学の危険思想」 (アミーア・アレクサンダー著/足立恒雄訳、岩波書店)

 無限小は、ゼノンのパラドクスの例のように、紀元前から何かと問題をはらんだ概念であった。この本はその無限小をめぐる宗教との関わり、というよりイエズス会による無限小(不可分者)の手法への弾圧を巡る話と、英国における数学者ホッブスとウォリスの無限小を巡る闘いを書いたものである。単なる数学史ではなく、宗教、政治も絡んで様々な話が展開し、数学関係の本としてはちょっと毛色の変わった面白い本であった。(ちなみに、訳者は私の大学の恩師。)


●「宇宙は無数にあるのか」 (佐藤勝彦著、集英社新書)

 インフレーション理論の提唱者である宇宙物理学の第一人者による分かりやすい本。この手の本は何冊か読んでいるので、私にとって目新しい内容はほとんどないが、インフレーション理論、マルチバースから、人間原理の話まで、宇宙の姿を巡る研究の動向を解説したもので、全体をおさらいするのに好適な本である。(ちなみに、佐藤氏は人間原理の考え方には否定的である。)


●「フューン島の少年時代」 (カール・ニールセン著/長島要一訳、彩流社)

 デンマークを代表する作曲家ニールセンの自伝の翻訳である。裕福ではない家に生まれながらも、周りの人との様々な出会いから、音楽家として成長していくまでを書いたものである。ニールセン生誕150年目にあたる今年、この本を読んだことで、ニールセンの作品を聴いて新たな発見が出来そう(な気がする)。
0 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年10月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031