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2012年02月25日19:58

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【音楽】 ヴァンスカ/読響@初台

読売日本交響楽団の演奏会に行ってきた。

◎プログラム
・シベリウス:森の精
・アホ:チューバ協奏曲 <日本初演>
・チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

   指揮:オスモ・ヴァンスカ
   チューバ:次田心平
   会場:オペラシティ コンサートホール

今日は、ヴァンスカのシベリウスとアホが聴きたかったのである。
京王線に乗って初台に行き、オペラシティ・コンサートホールへ。

1曲目はシベリウスの「森の精」だ。これは大好きな曲だが、シベリウスの作品の中では意外とマイナーなのだろうか。ほんの16年前にようやく「世界初録音」がヴァンスカ指揮ラハティ響によってなされたばかりなのだ。でも、知らないで聴いてもすぐにシベリウスだと分かる特徴が出ているし、とにかくシベリウスの魅力が詰まった名曲なのだ。

今日の演奏もヴァンスカ指揮ということで、期待に違わない好演だった。聴いているうちに、自分が森の中に迷い込んだ青年(ん?中年か?)になり、森の精(Wood−Nymph)に心奪われてしまったようだ。これは良かった!

続いて、アホのチューバ協奏曲。日本初演だそうだが、そうだろうな。今後も頻繁に演奏されるとは思わないので、生で聴ける貴重な機会という訳だ。
ソリストは読響の首席チューバ奏者の次田氏。普段は後ろの方に座って、縁の下の力持ち的な役割で、出番も多くないだろうが、今日は指揮者の横で「主役」を演じる。いかにもチューバ奏者というような風貌(?)の次田氏が登場し、アホの協奏曲が始まった。

この曲はCDでも聴いていたが、正直言ってそんなに大好きな曲というほどでもない。なんというか、とらえどころがない曲のような気がしていたのだ。

しかし、生で聴くと集中して聴いているためか、やはり面白い曲だなと感じた。アホの作品は、全体に「現代音楽」という言葉から誤解されやすい「訳の分からない難解な曲」ではなく、案外と聴きやすいのだ。チューバという楽器の特性なのか、オケに音が溶け込んで馴染んでしまうところも多いが、かえって「独奏楽器だけが浮く不調和な曲」にならなくて良いようだ。次田さんも大活躍。すばらしい!

休憩のあとは、超有名曲のチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」だ。つい1ヶ月前のN響の演奏会でも聴いたばかりで、その時の指揮者はスラットキン。アメリカンな(?)「悲愴」とノルディックな(?)「悲愴」の聴き比べだ。
スラットキンの時は、あまり深刻に暗くならず、作品の良さを的確に出し佳演だったと思うが、ヴァンスカも負けていない。ちょっと暗めの部分を出した感じもあって、それはそれでいいのだが、残念なことに読響らしからぬ小さなミスが特に管に少しあったように感じた。前半2曲に全神経を使いきってしまった訳ではないだろうが、総合的には悪くはなかっただけに、ちょっと惜しい気がする。

そういえば、第3楽章が終わってから間髪入れずに第4楽章が始まった。これは拍手防止策なのだろうか。ここは、第3楽章で盛り上げておいて、一呼吸おいてから暗く重い第4楽章へというのがいいのになあ。

シベリウスもアホも良かっただけに、今日はちょっと辛口の感想になってしまった。

演奏が終わった後も拍手まで数秒の静寂があった。これはもちろんいいのだが、最近のNYPの「マーラー9番携帯着信音事件」や、先日のN響の「悲愴の余韻ぶち壊し雄叫び事件」のためか、「携帯の電源を切って下さい」に加えて、今回は「完全に音が消えるまで拍手はご遠慮下さい」のお願いアナウンスまで事前にあって、なんだかなあと思う。


なんだかんだ言って、やはり楽しめたコンサートだったのは間違いない。

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