今日は仕事のあと、ルーテル市ヶ谷センターへピアノ演奏を聴きに行った。
「エストニア・ピアノ音楽の夕べ」と題し、エストニア出身の作曲家のピアノ作品を2人のピアニストが弾くというものである。
プログラムは次のとおりである。
(1)トビアス:メヌエット ヘ長調 Op.11-4 (1913)
(2)サール:4つの前奏曲 (1908,1921,1921,1923)
(3)エッレル:「鐘」 (1929)
(4)オヤ:「静かなる心象」(3つのピアノ小品) (1930)
(5)トゥビン:2つの前奏曲 変ロ短調/ヘ短調 ETW30 (1927-28)
(6)トゥビン:マルト・サールの主題によるバラード 嬰ハ短調 ETW40(1945)
〜休憩〜
(7)コハ:ロンド・アレアトリカ (1967)
(8)マギ:「ラップランドのヨイク」 (1987)
(9)レインヴェレ:「ウルヴァステの夕べ」(1987)
(10)クルヴィッツ:「冬の小道」(2004)
(11)エースペレ:「ルーダス・タクトゥス」(2008)
ピアノ:吉岡裕子:1、2、3、8、11
秋場敬浩:4、5、6、7、9、10
以上のように、クラシックから現代まで、エストニアのピアノ音楽を時代を追って楽しめるという訳だが、実はトゥビンの曲以外は初めて聴く曲ばかりだった。
そもそも作曲家の名前すら初めて聞くのが多い。
そんな訳で、かえって新鮮な気持ちで聴くことが出来た。知らない曲であるがゆえに、この演奏がいいの悪いのと、ヒョーロンカみたいな聴き方ではなく、曲そのものの魅力に浸れるのである。(よく知っている曲を聴く時にも基本はこうだけどね。)
前半はクラシックアワー。やや古風なメヌエットから始まり、続けて聴いていると、やはりトゥビンの曲が一番のお気に入りかなという感じだ。
トゥビンは日本でも比較的知られてきていると思うが、やはりその作品が素晴らしいからだと思う。
後半は現代アワーということで、ちょっと退屈するかなと思っていたらそんなことはなく、初めて聴く曲ながらコハの(7)は面白いと思ったし、マギの(8)も楽しい。
一番現在に近い2008年作のエースペレの(11)も、これまたいい感じだった。
これは意外だった(?)。
初めて聴く曲ばかりのコンサートに行って退屈しなかった。これはすごいことだ。
お客のマナーも良く(2割くらいエストニアの方?)、こぢんまりとしたホールで楽しい時間を過ごすことが出来た。
アンコールは3曲。
・シサスク:「銀河巡礼〜北半球の星空」より「こと座」 (秋場さん)
・スメラ:1981年の2つの小品 より (吉岡さん)
・ペルト:ウクアル・ワルツ(秋場さん、吉岡さんの連弾)
初めて聴く曲ばかりだったが、3曲とも心地よい曲だった。むしろ、アンコールの曲の方が気に入ってしまったかもしれない。
シサスクやスメラの曲ももっと聴いてみたい気がしている。
休憩時間には、エストニアの硬水「VESI」のペットボトルを配っていたので、1本(というか帰りには3本!)いただいた。日本では入手困難な水らしい。
ふと思ったのだが、エストニアのピアノ曲の休憩時間には、珈琲や紅茶でもなく、ワインやビールでもなく、「水」が似合う...かな?
これからエストニアの音楽ももう少し聴きたいなと思う。
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