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2006年03月08日05:00

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●寄り道ついで (69)/■不思議

■あるがまま

 ●「薔薇ノ木ニ
   薔薇ノ花サク。
   ナニゴトノ不思議ナケレド。」

    (北原白秋「薔薇二曲」)


  「不思議」という言葉は、もとは「不可思議」という言葉で、
  「思議できない」つまり、わたしたち凡夫の知恵では仏の悟りの
  内容を思い知ることができないという仏教用語からきている
  そうだ。
     (増原良彦「日本の名句・名言」講談社現代新書)



 ●「ひろ・さちや」のペンネームをもつ増原良彦さんは、北原白秋の
  「薔薇二曲」のこの詩をとりあげ、詩は、薔薇の木に薔薇の花の
  咲くのはごく当然のことで、だから字面では「ナニゴトノ
  不思議ナケレド」と言っているが、実は薔薇の木に薔薇の花が
  咲くということ自体が「不思議」であり、その神秘・不思議を
  この詩は歌っている、と述べている。


  
 ●昨日、「いままでに蓄積された、いろんなことを下敷きにして
  私たちはものを見ている」と私は書いた。

  しかし、めったにないけれど、
  私たちの目や心に、何の仲介物も通さず、ものが直接、私たちに
  とびこんでくることがある。


  それは、はっと気づかされる瞬間でもある。




  不純物を混じえずとびこんでくる光は、あるがままの不思議に
  わが思いを至らせる。
 
  鏡のように心が澄む。ものがそのまま心に映る。




  恋をしたとき、小鳥のさえずりでさえ、二人を祝福しているように
  聞こえる。


  七十歳になった良寛は、弟子・貞信尼との相聞歌で、こう歌っている。



     とびはとび すずめはすずめ さぎはさぎ 

     からすとからす 何があやしき
    


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