今年はベートーヴェンの生誕250年なので、まだ聴いたことのなかった曲も聴いてみようと思い、2枚ほど新たにCDを購入した。
●ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
・バレエ音楽「プロメテウスの創造物」
レイフ・セーゲルスタム指揮 トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
(2017録音、NAXOS)
これまで序曲しか聴いたことのなかった「プロメテウスの創造物」の全曲盤である。イタリアのバレエ・ダンサーであるサルヴァトーレ・ヴィガーノの依頼で書かれた音楽である。題材はギリシャ神話のプロメテウスのエピソードに基づいている。序曲以外は初めて聴くにも関わらず、そんな気がしないのは、やはりベートーヴェンの個性が随所に出ているからだろう。終曲は「エロイカ」の主題による音楽で、これがのちに交響曲第3番の第4楽章に発展して行った訳で、そのあたりも面白い。序曲しか演奏されないなんてもったいないと思う。
●ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
・劇音楽「アテネの廃墟」
・静かな海と楽しい航海
・奉献歌
マルクス・ボッシュ指揮 カペッラ・アキレイア
/チェコ・フィルハーモニー合唱団ブルノ
ヴァルダ・ウィルソン (ソプラノ)/サイモン・ベイリー (バス)
シドニー・フォン・クロージク (朗読) (2018録音、cpo)
こちらも同じく、これまで序曲しか聴いたことのなかった「アテネの廃墟」の全曲盤。ハンガリーのブダペストに作られた劇場のこけら落としのために上演された劇の付随音楽である。女神ミネルヴァが長い眠りから覚めるとアテネは廃墟と化しており、メルクリウスとともに、ミューズたちが逃れていたブダペストへ旅立ち、新しいアテネとして蘇ってゆく、というような話である。音楽のみでなく台詞も入っていて、劇の雰囲気を感じることが出来る。途中で有名な「トルコ行進曲」があり、そうか、ここに使われていた曲だったのかと、今さらながら気付いた。序曲よりも「トルコ行進曲」の方が有名だ。「静かな海と楽しい航海」は前半の「静か」と後半の「楽しい」の対比が見事な曲である。これは演奏会でも聴いたことある。
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