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2019年08月04日21:56

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【音楽】 府中の夏 北欧の風 〜スウェーデンの夏

昨日に続き、ステーンハンマル友の会による「府中の夏 北欧の風 ミニ音楽祭」の2日目である。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・アルヴェーン: 夏至の徹夜祭 (ピアノ連弾版)
 ・ダール: 二つのエテュード Op. 2より「 雨」
 ・ニーストレム: 6つの小品「後悔」よりモデレ
 ・ヴィークルンド: ピアノのための4つの叙情的小品よりアレグロ・グラティオーゾ
 ・ノールマン: ピアノのための6つの性格的小品「人生の時々」より
                 「幼年期」 、「若者の思慕」、「人生の厳粛」
 ・マイエル=レントヘン: 6つのピアノとヴァイオリンのための小品 より 第1曲〜第4曲

 ・アルヴェーン: 3つのピアノ小品「群島の絵画」より「陽の輝き」
 ・ステーンハンマル: 3つの幻想曲
 ・ステーンハンマル: ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ短調

   北田法子 ( ピアノ)/鈴木千保 (ヴァイオリン)/矢島愛子 (ピアノ)/和田記代 (ピアノ)
   会場:ルミエール府中コンベンションホール (16:30 開演)


昨日のメンバーにヴァイオリンの鈴木さんを加えて、2日目の今日は「スウェーデンの夏」と題するプログラムである。今日は全てスウェーデンの作曲家の作品だが、知っているのはアルヴェーンとステーンハンマルの作品くらいで、他は初めて聴く曲が多い。マイエル=レントヘンは、おそらくこの作曲家の作品を聴くことすら初めてだ。

昨日はピアノ連弾で締めたが、今日はいきなりピアノ連弾で始まる。アルヴェーンの作品では最も有名と思われる「夏至の徹夜祭」で、「スウェーデンの夏」の始まりにふさわしい。和田さんと矢島さんの連弾による演奏だ。アルヴェーン自身の編曲によるものなので、原曲の雰囲気も損なわれていない。徹夜祭の楽しい雰囲気は、ピアノ連弾版でも十分に伝わった。息の合った2人の素敵な演奏で幕を開けた。

今日も和田さんの解説を交えながら演奏会が進み、作品に対する理解も深まる。

続いては、フランスに留学するなどしてフランス音楽の影響を何かしら受けた作曲家3人の小品を続けて演奏だ。まずは北田さんによるダールの「雨」だが、これはまたなんと素敵な曲であることか。フランス云々との解説を受けてから聴いたせいでもあるまいが、ちょっとラヴェル的な感じもした。初めて聴く曲が素敵だと、それだけでも得した気分になる。続いては和田さんにより、ニーストレムとヴィークルンド。二―ストレムは、海の交響曲やチェロ協奏曲など一部の曲はCDで聴いていたが、ピアノ曲は初だ。少し交響曲にも通じるような雰囲気も感じられ、こちらもいい感じであった。ヴィークルンドは、この小品3曲の中では一番ピアニスティックな感じがした。小品を3曲聴いただけだが、三者三様でなかなか面白かった。

続いてはノールマンの「人生の時々」から3曲で、こちらも和田さんによる演奏である。昨日は交響曲第3番のピアノ編曲版を聴いたが、今日はもともとのピアノ曲である。「幼年期」の穏やかな雰囲気が「若者の思慕」ではやや激情的な雰囲気があったり、なるほどと面白いものであった。今日は3曲のみの演奏だったが、「6つの」というからには6曲あるのだろう。できれば全曲聴いてみたい。北田さんと和田さんの素晴らしいピアノ演奏のためか、初めて聴く曲がどれも楽しい。

前半の締めは、マイエル=レントヘンのピアノとヴァイオリンのための小品である。6曲中4曲が、鈴木さんと北田さんにより演奏される。マイエルは女性作曲家である。もともとヴァイオリニストだったが、ピアノもオルガンもチェロも弾けて、作曲家として作品も残している。19世紀はまだ女性音楽家の活躍の場は少なかったが、スウェーデンはノールマンの弟子がなぜか女性が多く、そのせいか女性作曲家も活躍の場があったという。しかし、その後は忘れ去られた人が多い中、このマイエル=レントヘンは、近年スウェーデンで復活してある種のブームになっているという。オランダ人作曲家のユリウス・レントヘン夫人であるということも、ほんの少し前に知った。

そのマイエル=レントヘンの曲だが、これがまた実に素晴らしい。聴き手を引き付ける冒頭部分にはじまり、美しいメロディーが奏でられ、最後もしっかりと締めるという構成も見事な小品であり、これも今回初めて聴く曲だったが、是非また聴きたいと思う。録音があるならCDを買ってみよう。

後半は、アルヴェーンとステーンハンマルの作品である。これはヴァイオリニストとしてのアルヴェーンと、ピアニストとしてのステーンハンマルが、それぞれの作品をプログラムにして行った演奏会の一部再現なのだそうだ。ヴァイオリンの鈴木さんはアルヴェーン、ピアノの北田さん、和田さんはステーンハンマルだと思って聴けばよいという。

アルヴェーンの「陽の輝き」も明るい曲で、北田さんらしい演奏であった。続いてのステーンハンマル「3つの幻想曲」は、日本のステーンハンマル研究第一人者の和田さんらしい演奏だったといえるのではないか。この曲は和田さんの演奏の印象と結び付いていることを、改めて感じた次第である。最後はステーンハンマルのヴァイオリン・ソナタを鈴木さんと北田さんの二重奏である。こちらも聴き慣れた音という感じで、安心して音楽にだけ集中できるのである。最後まで素敵な演奏であった。

演奏会終了後は、今日も演奏者の方々と談話する。普段はあまりこういうことはしない方だが、ステーンハンマル友の会のメンバーとは必ず演奏会終了後もしばらくお話しをして、いつの間にか時間が経っているのである。ここでもいろいろと貴重な話が聞けるし、楽しい時間である。

ほとんどのお客が帰ったあとで、公式写真撮影が北田さんと鈴木さんの写真を撮っていたが、どうせなら演奏している様子をと、2人で「トロイメライ」を演奏しつつ撮影。そばにいた我々は、予想外のアンコール演奏(?)も聴けた。


夜になると日中の猛暑に比べると、いくぶん楽になったようだ。いい気分で帰宅した。
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