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2018年01月12日21:32

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【音楽】 最近購入したCD

今年最初のCD紹介。
今年はCD購入を控えようと書いたが、聴きたいCDはやはり買ってしまう。


●小杉太一郎 (日本、1927-1976)

 ・交響楽
 ・舞踊音楽 日本の太鼓第三輯「綾の太鼓」

   小倉啓介指揮 オーケストラ・ニッポニカ     (2017録音、Salida)

「小杉太一郎の純音楽」の第2弾である。小杉太一郎といえば、「サイボーグ009」や「宮本武蔵」の音楽で知られ、映画音楽や劇伴音楽の作曲家という印象だが、近年ようやく埋もれていた純音楽作品が陽の目をみている。交響楽は日本的情緒を感じさせる3楽章構成の曲だが、なぜか聴いた瞬間いっしょにメロディーが口ずさめる。どこかで聴いたことがあるのだろうかと思ったら、「弦楽三重奏のための2つのレジェンド」を題材に管弦楽作品にしたものなのだ。師の伊福部昭の雰囲気にも近く、第3楽章は「伊福部昭の作品が新たに発掘された」と言われても納得してしまいそう。その伊福部の流れを受けたのが「綾の太鼓」である。第三輯とあるが、第一輯「鹿踊り」、第二輯「狐けんばい」は伊福部作品だ。序奏、終曲を含めて全9曲からなるが、前半は太鼓は控え目で、後半にドンドコドンと活躍する。「交響楽」のメロディーも一部使われ、陽の目を見なかった「交響楽」をなんとか生かそうとしたようである。小杉太一郎の純音楽が、これからもっと演奏されることを期待したい。素晴らしい作品が埋もれていてはもったいない。


●日本のピアノ曲、信時潔の系譜

 ・呉泰次郎:七つの前奏曲集
 ・長與惠美子:琴・笛・をどり
 ・信時潔:Vivace assai
 ・信時潔:Variationen (越天楽)
 ・高田三郎:ピアノのための前奏曲より第2曲/第3曲
 ・柏木俊夫:「芭蕉の奥の細道による気まぐれなパラフレーズより」 I、V、VIII、XV
 ・大中恩:「おなかのへるうた」による変奏曲

   ピアノ:花岡千春                   (2015録音、Bellwood)

信時潔と5人の弟子たちによるピアノ作品集である。いずれも初めて聴く曲ばかりだが、これは素敵なピアノ曲集だ。呉の「七つの前奏曲」は珠玉の名曲集。1曲目の「畫舫」はどこか郷愁を誘うような感じ、3曲目の「孤獨」も静かに一人の時を楽しむような感じ、6曲目はしみじみと「秋」だ。最後の「激流」で激しく終える。長與の「琴・笛・をどり」は、どこからか琴や笛の音がかすかに聞こえてくるような雰囲気だ。信時のVariationenは「越天楽」を主題とする22の変奏曲で、このCDのメイン曲である。変奏曲の面白さが感じられ、和風と洋風が良い形で交わったような曲である。高田は合唱曲の人かと思っていたら、こんな素敵なピアノ曲もあったのだ。前奏曲は全5曲らしいが、ここでは2曲だけ収められている。第3曲「山鳩」が、鳩の鳴き声を模したような箇所もあり面白い。柏木の作品は「奥の細道」の俳句からイメージしたピアノ曲集で、全部で17曲あるが、ここでは4曲だけ収められている。芭蕉の俳句を見ながら聴くと、情景が浮かぶような曲だ。俳句をそのまま音楽にしたのではなく、そこから自由に発想して作ったそうだが、俳句という日本的素材をもとにした素敵な作品となっている。最後は「おなかのへるうた」だ。この楽しい歌が、まさかこんな素敵な変奏曲になっていたとは知らなかった。これは聴いていても楽しくなる。聴いたらお腹が減る。 ♪おんがく きいても へるもんなあ〜
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