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2017年05月03日20:21

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【旅行】 摩耶山と京都鉄道博物館

1.関西へ

黄金週間の3日目の5月1日(月)、カレンダーは平日だが仕事は9連休の最中である。この「平日」の2日間に久しぶりに関西に行くことにした。新横浜から「のぞみ203号」で新大阪に向かう。意外と車内はすいていて、隣りの席もずっと空席だった。新大阪行きなので、名古屋を過ぎて乗ってこなければ空席確定だ。新大阪から在来線に乗り換えて大阪駅で降りる。


2.摩耶山

まずは摩耶山に行くことにする。摩耶山に行こうと思っていたのは、六甲ケーブルカー、六甲有馬ロープウェイ、新神戸布引ロープウェイには乗ったことがあるが、摩耶ケーブルカーと摩耶ロープウェイは乗ったことがなかったからだ。理由は単純である。

摩耶ケーブルカーに乗るには確か阪急六甲からバスがあったはずだと、おぼろげな記憶を頼りに阪急梅田駅から阪急に乗る。西宮北口まで特急に乗り、普通に乗り換えて六甲で下車する。摩耶ケーブル駅行きのバスは確かにここか出ているが本数が少なく、本数の多い神戸市バス2系統の三宮行きに乗って観音寺で降りればいいようだ。神戸市バス2系統は、行ったと思ったらすぐ次のバスがやってきて、待たずに乗れる。阪急の線路の北側を並走するような形で進み、観音寺で下車する。ここから摩耶ケーブル駅までは分かりやすい案内板も設置されていて迷うことはないが、10分弱の時間をひたすら坂を登っていく。これは日頃の運動不足の身にはつらい。摩耶ケーブル駅は、一見山小屋風で駅らしくなく、うっかりすると見落としそうだ。ここで星の駅までの往復乗車券を購入する。1,540円である。

ケーブルカーは20分おきに出ており、次の発車は11:00だ。他に客はいないので、やや不安になりかけたが、発車時刻間際になって年配のご夫婦が来て3人になった。それでも、平日とはいえ、黄金週間中としては寂しすぎるケーブルカーだ。車両は黄緑色と赤色があり、それぞれ「にじあじさい」、「ゆめあじさい」と名前が付いている。乗ったのは黄緑の「にじあじさい」だ。虹の駅まで5分ほど、最大29度の勾配を登っていく。座席は下向きについており、神戸の街並みを見下ろせるようになっている。終点の虹の駅は標高451mだ。

虹の駅から星の駅まではロープウェイである。虹の駅は単なる乗換駅であり、周囲には何もない。この何もない駅で、ロープウェイまでの15分間をのんびりと待つのもよい。眼下の賑やかな神戸の街とは別世界だ。ケーブルカーの乗客3人がそのままロープウェイに乗る。こちらも黄緑と赤の2両があり、それぞれ「ひこぼし」、「おりひめ」と名付けられている。乗ったのは赤い「おりひめ」だ。発車前に風が吹いてゴンドラが揺れて一瞬ヒヤッとするが、全く問題ないようだ。5分ほどで、摩耶山頂の駅「星の駅」に到着した。「虹の駅」、「星の駅」という駅名も、ちょっと洒落ている。かつては摩耶駅、摩耶山上駅といったが、震災後の復旧時に駅名を変えて、のちに神戸すまいまちづくり公社(当時は神戸市都市整備公社)に経営も移管された。近年も事故でしばらく運休するなど、さんざんなロープウェイだったが、今は通常通りに運行している。

摩耶山頂近くは掬星台という広場になっている。「星が掬えるほど近くに感じられる」ことからの命名だそうだ。眼下の神戸の街は、日本三大夜景の一つに数えられている。いずれも真っ昼間の時間ではどうしようもない。星や夜景は見えないが、お腹を満たすことは出来る。正午近いので、駅の上にある「摩耶ビューテラス702」で食事をする。702とは摩耶山の標高702mを表している。ハンバーグが700円。意外と安い。神戸の街や、六甲アイランド、ポートアイランドなどを眺めながらの食事である。やや靄っているのが惜しい。

さて、六甲山はいかにも山上のリゾート的な施設がたくさんあったが、摩耶山は六甲山に比べるとやや地味な印象である。ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで来たのは自分を含め3人だけだが、他にも人はいた。みんなのんびりと静かにくつろいでいる。折角摩耶山まで来たのだから、天上寺に行ってみようと思う。摩耶山天上寺はインドの法道仙人によって開創され、弘法大師が唐から授かった仏母摩耶夫人像が奉安されたことから、この山の名を「摩耶山」と呼ぶようになったと言われている。寺の名は摩耶夫人が昇天された「とう利天」にちなみ「とう利天上寺」、略して「天上寺」と呼ぶようになったのである。天上寺の前まではゆっくりと坂を下りて10分ほどだが、山門からはかなりの階段を登る。下りで楽だと思ったら、そうはいかないのである。天上寺のある摩耶別山は標高715m。摩耶山より高いのだから、登りがあるのは当然だ。女人守護の天上寺に独り者の男がとは思うが、もちろんきちんとお詣りする。延命地蔵菩薩にもお詣りし、ゆっくりとロープウェイの駅のある掬星台に戻る。

同じ道を戻ってもつまらないので、舗装道路を外れて、摩耶自然観察園を通っていく。あじさい池のあたりは湿性植物区となっていて、アジサイ、ユキヤナギ、ミズバショウ、スイレン、アヤメなどが見られるが、肝心のアジサイは季節がまだ早いようだ。誰もいない道をゆっくり歩いて掬星台に戻ると、先ほどとは一変して小学生の団体が来てにぎやかになっていた。ちょうどお弁当の時間になり、みんな行儀よくお弁当を食べ始めた。しばらく掬星台にてのんびりとしたあと、ロープウェイとケーブルカーで、先ほどの摩耶ケーブル駅まで戻る。帰りの車内は4人だった。

ここから阪急六甲駅に向かう神戸市18系統は30分くらい後にならないと来ない。観音寺まで坂を下りれば、三宮か阪急六甲まですぐに行けるが、ここで「坂バス」なる路線バスの存在を知る。みなと観光バスが運行するバスで、摩耶ケーブル駅とJR灘駅を結んでいる。このバスがすぐに来るので、これに乗ることにした。坂バスの名のとおり、ひたすら坂を下りるバスだ。このあたりは坂の中に町があるのだと今さらながら認識した次第である。東西方向に少し移動する時だけ水平になるが、ルートのほとんどは坂を下りて南下していく。阪急の線路を超えて灘駅についた。地図で見ると灘駅や阪急王子公園駅から摩耶ケーブル駅まではあまり遠くなさそうに見えるが、歩こうと思ったら上り坂で大変である。行きは六甲駅からのバスで正解だった。

このあとの予定は何も考えていない。当初の目的も終えたが、このまま帰ることもない。とりあえずJRで三ノ宮まで行った。三宮付近を適当にぶらぶらしつつ、阪神の神戸三宮駅から電車に乗ることにする。行先も考えていない。関西の私鉄もSuicaで乗り降り出来るので、こういう行先のはっきりしない気まぐれ行程にも便利である。駅に行くと、近鉄直通の奈良行き快速急行が停まっていたので、とりあえずこれに乗車する。降りたことのない駅でおりてぶらぶらするのもいいなと思いつつ、快速急行の停車駅はおりたことのある駅ばかりだ。結局、近鉄との接続駅である大阪難波まで来てしまったので、ここで下車する。

大阪のど真ん中の難波である。しばらく、あたりを歩いていると、たこ焼き屋が目に入ったので、ちょうど小腹がすいたなと、たこ焼きを買って食べる。7個入りで280円というのは安いと思ったが、大阪では普通の値段なのだろうか。たこ焼きは大阪の日常的なおやつである。


3.仁徳天皇陵

たこ焼きを食べた後、南海難波駅に向かう。特に目的がある訳ではないが、阪急と阪神に乗ったら、次は南海だと思っただけである。ちょうど次に発車する、泉北高速鉄道直通の準急行・和泉中央行きに乗る。三国ヶ丘という駅名を聞いて、ここで降りることにした。近くに仁徳天皇陵があることを思い出したのだ。三国ヶ丘駅で降りるのは初めてだ。三国ヶ丘駅ビルの屋上が「みくにん広場」となっており、仁徳天皇陵が見えるという。「みくにん広場」という名も、三国と仁徳を合わせたものらしい。しかし、確かに仁徳天皇陵は見えるが、横から見るとただの森だ。歴史の教科書にも載っていたような前方後円墳が見えるのは、もっと高いところからでないと無理だが、そんな場所は近くにない。仕方ないので、近くに行ってみることにした。

駅の外に出て仁徳天皇陵のすぐ近くに来たが、近くでは前方後円墳だとはますます分からなくなるのは当然の道理である。仁徳天皇陵に沿ってしばらく歩いてみたが、お堀とその向こうの森が見えるばかりだ。なお、仁徳天皇陵は、実際に仁徳天皇が被葬者であるとする明確な根拠はないそうで、それゆえ「大仙陵古墳」という言い方をすることもある。最近の教科書では「仁徳天皇陵」ではなく「大仙陵古墳」と書かれているらしい。もっとも宮内庁では、現在も「百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)」として、仁徳天皇陵に治定されている。仁徳天皇陵の横を歩き、角のところまで来た。一周するとかなりの距離になりそうなので、ここで止めることにした。ここからJR阪和線の百舌鳥駅はすぐ近い。三国ヶ丘駅から舌鳥駅まで1駅分歩いたことになる。

阪和線に乗る。百舌鳥駅には各駅停車しか停まらない。次の三国ヶ丘で南海に乗り換えるが、改札を出てから、このまま阪和線で行っても天王寺に着くのだし、乗り換える意味がないことに気付いた。わざわざ阪和線に戻ることもないので、そのまま南海の乗り場へいく。各駅停車に乗り、境東からは急行で新今宮まで行き、大阪環状線に乗り換える。大阪環状線は新しい車両(323系)だ。大阪環状線にも新型車両が投入されていたとは知らなかった。それにしても車内は空いている。月曜日の17:30頃といえばもっと混雑していると思ったが、あまりにガラガラでちょっと驚いた。鶴橋や京橋で少し乗ってきたものの、大混雑というほどにはならない。ほぼ半周して大阪駅の1つ手前の天満で降りた。今夜の宿の最寄駅である。

大阪環状線の線路沿いに歩くとホテルの場所はすぐに分かった。部屋に入り窓を開けると、すぐ目の前を電車が頻繁に通っているのが見える。まるで電車を眺めるための部屋のようだ。もちろん防音窓なので、窓を閉めれば電車の音は聞こえず静かだし、これは鉄道好きにはいい部屋だ。

食事をするため外に出る。天満駅のあたりまで戻ると、駅のすぐ近くに飲み屋ばかりの通りがある。高級そうな店はなく、気軽に飲めそうな店ばかりで、これは中に入ったら素通りするのは無理だ。適当な店に入り、ビールは今飲めないので、焼酎を飲みつつ、さんざん飲み食いしたが、思ったよりもかなり安くて、これまた驚いた。天満駅周辺の雰囲気といい、いかにも大阪っぽい気がした。駅の近くの別の店からは、ヴァイオリンとクラリネットの二重奏が聞こえてきた。店の中で若い女性2人が演奏している。一瞬目が合って、こちらの店もいらっしゃいと誘われているようだが、そこは自粛してホテルに戻った。


4.御香宮神社

翌日2日は全く予定を考えていないが、とりあえず環状線で大阪駅に向かう。かなり混雑していたが、やはり平日の通勤ラッシュなのだろうか。昨日は、阪急、阪神、南海に乗ったので、今日は京阪に乗ろうと思い、地下鉄御堂筋線で淀屋橋に向かう。こちらも通勤ラッシュだった。やはり今日は平日だ。淀屋橋駅近くのカフェで朝食とする。淀屋橋はオフィス街なので、いずれも大阪(梅田)駅から1駅だが、天満駅周辺とは雰囲気が違う。

淀屋橋から京阪の特急に乗る。関西に来たら京阪の特急に一度は乗らないと来た気にならないが、なんと車両は一般のロングシート車両だった。京阪の特急は全部が8000系ではないのか。少しがっかりだが、8000系が来るまで、狭いホームで待つほどのことでもない。京橋まで各駅に停まり、ここから快調に飛ばすが、以前は七條までノンストップだったのに、枚方市、樟葉、中書島、丹波橋と、停車駅がずいぶん増えた。その枚方市でだいぶ混雑してきた。しかも、中学生風のグループが多い。今日は学校は休みなのだろうか。樟葉でも同様で、中学生がそろって京都に遊びに行くような雰囲気である。これは予想外だ。四条か三条まで行こうと思っていたが、にぎやかな車内から逃れるために丹波橋で下車した。近鉄にも乗り換えられる。

近鉄の乗り場に行くが、どこに行くか、京都駅方面に行くか、奈良方面に行くかも考えていない。とりあえず、普通・大和西大寺行きが次に来るのでこれに乗る。どこか適当なところで降りようと思いつつ、次の桃山御陵前で何となく下車した。駅の近くに御香宮神社があり、ここにお詣りする。御香宮神社は神功皇后を主祭神としており、安産の神として信仰を集めているという。どうも、男性の独り身にはあまり関係のなさそうな寺社ばかりを巡っているような気がする。境内の湧水は「御香水」として、名水百選に選定されているそうで、ペットボトル持参で水を汲みにくる人も多いようだ。

御香宮神社をあとにしてさらに進むと、JR奈良線の桃山駅がある。このあたりは京阪、近鉄、JRの各路線が集まっている。奈良線は15分に1本だが、他に桃山駅には停まらない快速が運転されている。10分ほどでやってきた各駅停車で京都に向かうことにする。関東ではすでに全廃となった黄緑色の103系が、ここでは現役バリバリだ。まだ国鉄時代の何世代も前の車両が走っているのを見ると、路線自体が鉄道博物館といってもいいかもしれない。このようなことを考えていると、そうだ京都鉄道博物館に行こうと、急に思い付いた。


5.京都鉄道博物館

京都駅を降りて、線路沿いに梅小路の方に向けて、梅小路公園の中を通っていく。公園内には京都市電の車両も置かれている。駅からは思ったよりも遠い。ようやくたどり着き、1,200円の入場券を購入する。グランドオープン1周年記念ということで、記念硬券をくれた。切符を模した記念券である。黄金週間の最中で、入場制限されるほどの大混雑も少し予想していたが、全くそんなことはなかった。入るとすぐに0系新幹線や、80系電車、C62蒸気機関車などが見える。本館に入る前のプロムナードで、いきなり実物の車両がどんと置かれていて楽しめる。80系電車は中も見学できるようになっているので入ってみる。懐かしい雰囲気だが、「座席にはすわらないで下さい」の貼紙がベタベタ貼ってあるのが残念だ。余計な貼紙はせず、ありのままの姿で展示してほしいものだが、そうもいかないのだろう。

さらに行くと、つい先日まで走っていた「トワイライト」用のEF81と寝台車、EF58、EF65などの電気機関車が展示されている。機関車の弾く客車列車や夜行列車など、学生の頃は珍しくもなかったのに、今はすでに過去の遺物になってしまった。鉄道が便利になるのは大変良いことだが、必ずしも早さだけを求めるだけが全ての需要ではないはずだ。時間をかけて走る高級設備の列車が、切符が取りにくい人気列車となっていることもあるし、新たな流れはあると思うが。

本館にも各種の実物車両が展示してある。581系や489系、キハ81など往年の名車とともに、新幹線500系も展示してある。この500系も、すでに過去の車両なのだ。実物の車両たちを眺めているだけでもずっといられそうな場所である。長くいても飽きることがない。2階はジオラマやシミュレータ、資料展示などだが、さいたまや名古屋の博物館と違うなと思ったのは、阪急、京阪、近鉄など、私鉄に関する資料や模型なども展示されていることだ。国鉄(JR)一辺倒でないのが好ましい。鉄道模型ジオラマも私鉄車両も走るが、ジオラマの凝りぶりは、名古屋のリニア・鉄道館には及ばない。名古屋のはすご過ぎる。

気が付くと正午をかなり過ぎていた。どうりでお腹が空いてきた訳だ。館内の2階にもレストランがあり、鉄道にゆかりのあるメニューもあると思われるが、行ってみると大行列で、これでは入る気がしない。並んで長時間待つというのは好まない。館内で食事をするのは諦めて、機関車庫の方に行く。昔からある梅小路機関車庫だ。扇形機関庫にずらりと並ぶ蒸気機関車は圧巻だが、残念ながら走ることが出来るのはわずかで、ただの展示物になってしまっている。外にはC62−2(「つばめ」牽引機)と9633が停められていた。機関車も時々出たり入ったりしていることはこれで分かる。しばらく機関車庫の機関車を眺め、本館に戻って再びざっと見て、出口から出る。この出口のところは、旧二条駅の駅舎を移転したものだ。旧二条駅舎は京都市指定有形文化財となっている。

一旦外に出て食事をすることにする。適当な店を探していたら京都駅前まで戻ってきてしまった。駅地下街Porta内の店で京ラーメンを食べる。かなり遅い昼食だ。鉄道博物館は当日なら再入場出来るが、ここまで来たら戻るのが面倒になった。バスでどこか「京都観光」でもしようかとも思いかけるが、駅前のバスターミナルも混雑しているのでやめた。さすが国際観光都市の京都だ。結局最後は京都タワーの展望台に登って締めくくることにした。京都タワーは京都駅前にある。タワーの展望台から京都の町を360度見渡したあと、京都駅に戻る。少し京都駅周辺をぶらぶらと意味もなく歩き回り、そろそろ帰ることにして、帰りの新幹線の切符を購入した。


6.帰京

まだ明るいうちに京都を離れて新横浜に向かう。名古屋に停まり、次は新横浜だ。帰りも隣りの席はずっとあいていた。まだ暗くなり切らないうちに新横浜に着いたが、このくらいがちょうどよいかもしれない。
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