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2016年06月07日08:32

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読書日記No.919(佐藤優が選ぶ、よりぬき米原万里)

■米原万理・佐藤勝(編)「偉くない『私』が一番自由」2016年4月文春文庫

米原万理の名は知っていて、雑誌等でぱらぱら文章を読んだことが
あったが、ちゃんと読んだことがなかった。

それが、書店店頭に平積みされていた本書を、なにげなく手にとって、
読んだ。(おいでおいで、されていたのかな)

米原万理の印象は、ロシア語が堪能で同時通訳から物書きになった方。
ちょっとこわもてのエッセイを書く人。

もう没後10年なのかという思いと、あの佐藤勝が選んだアンソロジー
ということで、手が伸びたのかもしれない。

読後感は、なかなかよかった。
やはり、読まれる文章は、それなりにちゃんと人を惹きつけるものがあると
改めて感じる。

惹句を紹介。

“佐藤優が選ぶ、よりぬき米原万里”

“ロシア語会議通訳、作家、エッセイストとして活躍した米原万里の作品を、
激動のロシアで親交を結んだ盟友・佐藤優がよりぬいた傑作選。”

“メインディッシュは、初公開の東京外語大学卒業論文、詩人ネクラーソフの生涯。
ロシア、食、言葉をめぐる傑作エッセイ、単行本未収録作品などをロシア料理の
フルコースに見立て、佐藤シェフの解説付きで紹介する。”

“没後10年米原万里を偲ぶオリジナル文庫。”

実は本書は、米原万理番、佐藤勝番共通の編集者であった、藤田さんという方の
紹介文もあるので、こちらも紹介。

“56歳の若さで亡くなられた米原万里さん。今年5月で10年が経ちます。食べることが
大好きだった米原さんにちなんで、佐藤優さんがロシア料理のフルコースに見立て、
前菜からデザートまで、数あるエッセイ、インタビュー、対談から編んだアンソロジーです。”

“何といってもメインは、「外語大始まって以来の誤字脱字の多い卒論」と本人も
書き残している卒論全文(誤字脱字も)掲載。
米原万里という稀有な作家の生涯と思想をたどる、米原ファン垂涎の一冊になりました。”

本書は、実質2人の編者によるアンソロジーで、評伝などでもそうだが、対象者
に対する、リスペクトや愛情がないと、この手を本は、輝きがなくなる。

その点、本書にはそれがちゃんとあって、佐藤優という異形の思想家が、リスペクトと
愛情をもって語ってやまない米原万理のエッセンスを堪能した♪
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