今日は、茨城県つくばまでオーケストラ・ウィルの演奏会を聴きに行った。このオケはつくばを拠点に活動しているアマオケである。今日は行きたいコンサートが重なっていたが、遠路はるばる(?)つくばまで行くことにしたのは、このオケでチェロを弾いている人からチケットをもらったからである。この人は、実は同じ会社の人(筑波大学出身)で、だいぶ前から相当強く誘われていたので、前回(昨年9月)に続き、今回も行くことにしたのである。
秋葉原からつくばエクスプレスでつくばに向かう。途中の守谷では「常総線は現在も一部区間が運休」との案内があり、先日の洪水被害が大きかったことを改めて認識する。昼頃つくばに着き、ご飯を食べて会場に向かう。本日のプログラムは次のとおりである。
・モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」序曲
・コダーイ:ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲
・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
指揮:佐々木雄一
会場:つくばノバホール (14:00開演)
つくばという場所柄か、会場もいかにも理系な感じの人が多い気がするのは気のせいか。学生っぽいのはほぼ間違いなく筑波大学の学生だと思うが...
いきなり書いてしまうが、聴き終わっての感想は、予想以上に良かった。別にそんなにひどい演奏を覚悟していた訳ではないし、昨年も結構良かったのだが、予想を上回る演奏で、「おっ、意外とやるな」と思ったのである。
1曲目はモーツァルトの歌劇の序曲で、まずは快調なスタート。このオペラを全曲聴いたことはないし、そもそもモーツァルトのオペラには疎く、序曲だけは知っているのがあるという程度だが、その序曲で良い感じで演奏会に入っていくことが出来た。1曲目にモーツァルトの序曲というプログラムは、案外いいのかしれない。ある程度のレベルのあるオケなら、余程のことがない限りそれなりの演奏にはなるし、細かいことをどうこう論じるような曲でもないが、気持ちを乗せていくのには相応しい。さすが筑波のオケ、こういうところも理論的に考えている(?)のだなと勝手に納得する。
次はコダーイの「孔雀変奏曲」だ。プログラムやチケットのデザインにも孔雀が描かれ今日は「孔雀」がメイン、今回チケットをくれたチェリストも、「今回は孔雀には気合入っていますよ」と言っていた。これは期待できるではないか。この曲は、結構地味(?)ながらも割と好きな曲だが、生で聴くのは初めてである。演奏がはじまると冒頭から良い感じで、なかなか良いではないかと思っていたら、最後までじっくりとこの作品を味わうことが出来た。やはり、今日のプログラムで一番気合が入っていた(他の曲は手抜きということはないと思うが)というだけのことはある。
休憩のあとは、ショスタコーヴィチの5番だ。これも予想していたよりも素晴らしい演奏だった。たしかに金管が時々外したりというのはあったが、そんなことは致命的なミスにはならない。テンポやバランスは指揮者によるものだろうが、オケもそれにしっかり応えて、結果として素晴らしい演奏となっていた。最初誘われた時、「ショスタコ5番? どうしようかな?」と渋っていて、「孔雀もやりますから」で行くことにしたのだが、むしろショスタコーヴィチの方が出来が良かったような気がする。細かいことは書かないが、第1楽章、第2楽章冒頭の低弦による入りもびっしり決まったし、最後のティンパニも良かった。全体として退屈するところがなく、こちらも最後までじっくり聴くことが出来た。
アンコールは、ハチャトゥリャンの「レズギンカ」で、楽しく賑やかに演奏会を終えた。
オーケストラ・ウィルもまだ今回が第7回の演奏会という若いオケだが、今日聴いた限りでは昨年よりもレベルアップしている。筑波らしく(?)理系的な視点できちんと作品を捉え、演奏する時は決して機械的にはならず、という良いバランスが取れているような気がする。
エクセルシスを止めて遠路つくばまで行ったので、これで変な演奏会だったら残念だが、今日はそんなことはなく、行って良かったと思った。(来年もどうせ行くことになりそうだ。)
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