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2015年01月17日14:18

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【音楽】 最近入手したCD

今年はCDの購入は控えると書いた側から、新たに2枚のCDを購入した。といっても1枚はもともと年明け早々の発売時に入手予定だったものである。もう1枚は知らない。マイミクさんのつぶやきについ釣られたか(笑)。

【1】 絃楽オーケストラで聴く日本の巨匠たち
     (水戸博之指揮オーケストラ・トリプティーク (2014年9月13日ライブ))

 ・伊福部昭:絃楽オーケストラのための日本組曲
 ・三木稔:箏譚詩集「春」より「芽生え」、「夏」より「白い風の下で」
 ・黛敏郎:フルート、ピアノ、弦楽のためのセレナード・ファンタスティック
 ・松村禎三:ピアノと弦楽オーケストラのための朝の歌
 ・眞鍋理一郎:追憶
 ・水野修孝:ヴィオラと弦楽オーケストラのための協奏曲
 ・芥川也寸志:映画音楽「鬼畜」より、ストリートオルガン、終曲

この演奏会には行かなかった。しかし、CDを聴くと行けば良かったと後悔した。こういう演奏会は滅多にあるものではない。結局このCDで初めて聴く曲も多い。

伊福部の「日本組曲」は、オリジナルのピアノ版、管弦楽版に続き、弦楽オーケストラ版も揃った。晩年に近い頃にこの編成で書いたものだが、長年の友人である三浦淳史氏との何十年も前の約束、「弦楽四重奏曲または弦楽オーケストラ作品を書く」を果たしたものであるという。躍動感あふれるピアノ版、派手な管弦楽版も良いが、少し落ち着いた感じの弦楽版も素晴らしい。もしかしたらこれが一番良いかもしれない。

三木稔といえば邦楽器を使った作品を作る作曲家というイメージだ。邦楽器は決して「古い音楽」ではない。この作品も箏と弦楽オーケストラが見事に融合した作品だ。「芽生え」は有名な作品だと思うが、「白い風の下で」はおそらく初めて聴く。ハワイのカルイア海岸をイメージした作品らしいが、私は行ったことないので、徳島の海のイメージで聴いた。

黛の「セレナード・ファンタスティック」は東京初演ということで、名古屋での初演に加えて二度目の演奏だ。初演後に見つかった譜面のミスを再度校訂しての演奏で、このような幻の作品をそこまでするオーケストラ・トリプティークの情熱に頭が下がる。若き黛が天才の片鱗を見せつつも試行錯誤している作品という感じである。

松村の「朝の歌」はピアノと弦楽のための作品で、「飛騨の人々のために」との副題が付いている。なるほど、飛騨の山奥の風景を思わせるような、ともいえようか。色彩豊かな風景画ではなく水墨画のような音楽である。

眞鍋の「追憶」は、短いながらしみじみと聴く作品だ。水野のヴィオラ協奏曲は2014年の作で、このオケの委嘱作品ということであるが、急緩急の伝統的3楽章構成の曲で聴きやすい曲である。第2楽章はヴィオラが歌うし、第3楽章は圧巻だ。最後はしみじみと終わる。

最後の芥川の映画音楽「鬼畜」は、これも映画は観ていないが、この2曲とも耳に馴染む芥川節だ。「鬼畜」に美しいメロディ? どんな映画か観てみたい。

日本人作曲家にも素晴らしい作品が多いと思うが、まだ知らない作品も多いので、もっと聴いてみたいと思う。


【2】 弾厚作:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 K-213
    (森岡賢一郎指揮N響団友オーケストラ/ピアノ:羽田健太郎)

第1楽章は、まるでラフマニノフを思わせるような美しいメロディーが満載だ。ロシア後期ロマン派作曲家を思わせるような素晴らしい楽章だ。ゴースト...、いやオーケストレーションについて助言したという森岡さんの効果もあってか、こうも上手にパクリ...、いや作曲なさるとはさすがである。ハネケンのピアノ演奏も素晴らしい。まるでハネケンが自分で作ったかのような(笑)、難しいパッセージが頻繁に現れる。この楽章だけでも何倍にも楽しめる大変素晴らしい曲だ。

第2楽章は奥さんを亡くした父を慰める楽章ということで、祈りのような感じである。しかし、これだけでは終わらない。第3楽章で急に雰囲気を変え、古典派協奏曲のロンドのようなものを持ってきて、この「木に竹」感が聴く者の意表をつく。さすがである(笑)。この楽章だけはゴースト...、いや助言を得るのを控えて、弾厚作自身の思いをそのまま出してみたということだろうか。第1、第2楽章から敢えてクォリティを下げることによって(?)、聴き手を和ませる(笑)。「このぐらいならオレでも作れそう」と思わせてくれる曲はそうそうあるものではない。大変素晴らしいピアノ協奏曲である。

「第1番/K-213」ということは、こういう大変素晴らしいクラシック系の曲をたくさんお作りになっているのであろう。他の作品も是非聴いてみたいものである。
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