温かさにふれ
凍っていた私のすべてが
今、少しずつ
動き、はじめた
生きていた、とは言いがたい
何の価値もない、塵のように
つめたい風に流されていた
太陽が昇っている
体が熱を帯びている
私の足が動いて
確かに道が開いている
足元の石ころが、前を向けと言う
昨日、俯いていた道は
今日、後ろへ遠ざかる
生まれた
私は今日に生まれ変わったのだ
擦りきれた体であろうと
まだ炎は消えていない
ささやかな力でも
温かさの命を受け
ただ、ただ、真っ直ぐ
それだけを念じながら
この道の端の方で良い
生きている証しに
生かされた恩返しに
〜友人・久馬氏へ
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