黒の真ん中にほのかに白く遠く ただそこにあるだけの花が 私のすべてを震わせて赤い血がたぎり始める 水星に落ちるように太陽の引力をかわしながら一点の花を目指す 沸騰して立ちこめる蒸気にまぎれ何も見えない 落ちる、落ちるこのまま発火して 消え去るの
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ブリザードの眼差しに宇宙の穴へ落ち込んだ黒いしみのまま凍りついて明るくてもただ明るいだけの世界が霞むレンズの奥で僕を焼き殺す目をつむれば美しい君がいてもうひとりの君が君を谷へ突きおとすその後ろでうなだれた僕がほくそ笑んでいる谷底の君は戻らな
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