■身心快楽(51)
●６月１８日(木) 晴れ
昨晩、一眠りして、また「富士日記」の書き写しをしようと思っていたが、
そのまま眠ってしまった。
淡路の連子窓のある奥の部屋か、それともどこかの旅館かに来ていて
机に向っていたら、窓の向うから３０代か４０代かと思われる女の人が三人くらいで
話をしているのが聞こえる。何の話をしているのかよく聞き取れない。
話をしている女性たちがどんな人なのか、それもわからない。
どこかで声を聞いた人が一人まじっている。が、顔は見えないし、思い浮かばない。
すると、私の部屋の障子があいて女の人の声がする。さっきの声の、
私が知っているはずの人の声で、入っていいかと言う。いつの間に
どこを通ってこちらにやって来たのだろう・・と思いながら、誰だろうと思う。
そしたら、突然、すぐそばで、
「ああぅ、あぁあぅ、あっふぁふっぱぁへふぁふぅぁ・・・」と声にならない
奇妙なうめき声のようなのが聞こえた。妻の寝言、夢の中での叫びである。
たまにある妻の「怖い夢」を見たときの反応で、背中を軽く叩いて
「なんの夢、見たん？」と聞いてみた。すると、天井に族が入り、それで
みんなに知らせようと、懸命に叫ぶのだが声が出ない・・。そんな夢だったらしく
「あーっ、怖かった！」と私に言うと、またすぐ寝入ってしまった。
二人同時に夢を見ていたわけだが、私の方は声はわかるが顔がわからない
その女の人は誰だったんだろうと、また考えた。そして考えているうちに
私も寝てしまった。
●きょうは、いま帰って来たところ。
七時二十分に歯医者の予約がある。
面倒臭いが、行かなければならない。
「富士日記」昭和四十六年 拾遺�ァ，蓮△修譴�すんで
夜にでも書くことにして、
とりあえず、昨晩書く筈だった「身心快楽(51)」を非公開から公開に変更した。
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