■秋分の日
●団地の中を通って行くと、一ヶ所
群がって、細い萩の枝をしなだらせている生垣が
ある。
枝には、緑の葉と紫の花が、入り混じって生い茂り、
重そうに風に揺れていた。
秋分の日に、消防訓練をすることにしていたので
半日出勤の今日の出がけにも、萩の花を見た。
訓練に参加した子供たちが
水消火器で、ホースから水を飛ばした。
水は秋の陽の光で、キラキラ輝いて白く見えた。
昼までに終わり、帰り散髪屋に立ち寄った。
目をつぶったまま髪を切られていると
耳に流れてくるラジオ放送が、なんだか懐かしい。
秋分の日の、このころだったか
田舎道を走るバスの両側は、黄金色に輝く稲穂が
目にまばゆかった。
みんなが透き通って見えていた。
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