■陽、傾く
・朝風呂に入って、妻を送り出す。
「ちゃんと、昼食べなさいよ」
「きのうの太刀魚、冷蔵庫に入れてあるから」
「あぁ、わかった」
・妻がいない日曜日、私はめんどうくさくて
昼飯を食べないことが多い。
胃袋は以前と比べ、かなり小さくなったようで
昼を抜いても、そう空腹感がない。
腹がへったナーと思えば、ごそごそと台所で何か食べるものを
探す。
・コタツでとろとろ眠っていた。
布団を干しているのを思い出して、入れる。
冬の日、陽の傾くのは早い。
午後三時を回ると、外に出るのがおっくうになる。
アツシのボサボサに伸びた髪を思い出したが、いまから
出かける気にならない。
・TVで、男鹿半島の冬・ハタハタ漁の模様を映している。
昭和44年の「新日本紀行」の映像と、いまのその光景と。
番屋の裸電球の下に、男たちが車座に座って、ハタハタが来るのを
待っている。
ハタハタは大群でやってくる。一度、群れが押し寄せれば
昼夜わかたず何度も港と漁場を往復し、休憩も睡眠もない。
かつての、船からあふれるほど、いっぱいハタハタが獲れたころの
漁が映し出される。
ハタハタは、そう旨い魚ではない。しかし、大漁と高度成長と
食欲のあったあのころが懐かしい。
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