■「クーラー」
・ここに引っ越してくるまで、明舞団地では「クーラー」があった。
引越しの際、その「クーラー」はご近所の方にあげた。
・須磨離宮の裏手、栂尾山の北斜面に位置するわが「横尾団地」では
まだ、「クーラー」を使ったことがない。使うよりも何よりも
我が家に「クーラー」がない。
夏、須磨から離宮道を通って、横尾方面に登ってくると、
「国立こども病院」あたりで、急に気温が下がるのがわかる。
・私のところは「横尾5団地」の5階建ての1階部分で、東端の
号室だから、風がよく通る。うしろは「中公園」で、前には建物が
ない。
それで、「クーラー」をもう20年以上、使ったことがない。
■「エアコン」
・いまでは、「クーラー」は「エアコン」となり、冷暖房兼用に
なっているので、「エアコン」がない我が家では、冬の暖房は
もっぱら「コタツ」である。
私の部屋には「ガス・ストーブ」があるが、居間は横長で大型の
テーブルタイプの電気の「コタツ」である。
ここで、私はよく「うたたね」をする。そして、朝までここで
寝ることもよくある。
隣の部屋にいけば、妻が布団に寝ているが、そこにもぐり込むより
億劫なので、そのまま「コタツ」で寝る。
■「粉吹き爺さん」
・家ではそんな生活をしているが、「コタツ」や「ガス・ストーブ」は
「エアコン」の暖房とくらべると、室内の乾燥度はそれほどでなく、
窓ガラスには、逆に結露ができ、喉が渇いたり、「加湿器」が
ほしいと思ったこともない。
・ところが、職場は2台の「エアコン」で広い事務所を暖房し、
こまめにスイッチを切るのだが、それでも眼が乾くくらいに
乾燥する。
頬もヒリヒリしてくる。ときどき保湿剤入りのクリームを
手や顔に塗る。それでも、皮膚という皮膚から水分が奪われていく。
・もともと「かさつき肌」の私は、この暖房が苦手である。
肌がカサカサに乾く。
妻は、私の肌着を洗濯するとき、シャツやパッチを必ず裏返して
振る。すると、細かい白い粉がパーッと拡がる。あたり一面
白い粉が舞う。
私の腕や脚から剥離した「皮膚」が、細かな白い粉になって
飛散しているのである。
妻は、はたくたびに、顔を横にそむける。
灰を撒いて、みごとに桜の花を咲かせた「花咲か爺さん」ならぬ
「粉吹き爺さん」となって、私は冬の間、妻を悩ませている。
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