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2005年12月27日12:29

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●寄り道ついで (8)/■「わかば」

■「わかば」

 ・淡路に寄った折、腸閉塞で倒れた叔父から「わかば」をもらった。
  「わかば」は、私が大学生の頃、新発売になったタバコ。

 ・母は、「根性がさもしくなる」といって私のタバコを嫌ったが、
  私は「いつでもやめられる」と、二十歳からタバコを吸いはじめ、
  1週間くらいの禁煙はしたものの、爾来四十年、ずっと毎日
  吸い続けている。


 ・銘柄では、両切りの「ピース」が好みだった。しかし、「ピース」は
  値段が高かったので、貧乏学生の私は「わかば」が発売になると
  それに切り替えた。

 ・それからずっと「わかば」を吸っていた。結婚式などで
  「わかば」をテーブルに置いていると、親戚から顰蹙を買った。
  「わかば」には、貧乏人の安物のタバコというイメージがある。


 ・駅の売店、町のスタンドなどで、「わかば」が手に入らなくなり、
  私は「ハイライト」に銘柄を変えた。「わかば」に味が近く、
  値段も相対的に「手ごろ」だった。


 ・「ハイライト」に切り替えてから、もう「わかば」を吸うことは
  なかった。たまに淡路に行った折、手持ちの「ハイライト」が
  切れ、叔父の「わかば」をもらって吸った。やや草くさい味がした。

  叔父は、私がむかし「わかば」を吸ってたことを知っていたので、
  このたび淡路に寄ったとき、それを私にくれたのだ。


 ・「やめたわけではない。まぁ、しばらく休憩だ」といって
  叔父は買い置きの「わかば」1カートンを私にくれた。


■1月1日付け

 ・その「わかば」がなくなり、おとといの日曜日、家から妙法寺駅の
  自動販売機にタバコを買いに出た。そのまま帰れば20分もかからぬ
  外出だが、外に出ると、つい寄り道をする。

 ・駅のそばに小さな本屋が二軒ある。ほとんど目新しい本はない。
  平台や棚に並んだ本を順にながめていく。
  「新刊」で置かれているのは「バカの壁」や「下流社会」のような、
  すでにベストセラーになった本で、三流映画館の「ふるびた」感じで、
  ほこりがたまったように並べられている。


 ・藤原正彦「祖国とは国語」を買う。著者の文章は新聞や
  ほか何かの印刷物で読んだことはある。数学者であり、その専門に
  関する随想などもあることを知っている。

  しかし、とりあらためて「読もう」と思ったことはない。
  買った理由はタイトルにある。私の思いが「タイトル」と
  同じだったからである。


  私の「本」が増える理由はいくつかあるが、もっとも最大の原因は
  てもちぶさたにある。
  タバコと同じで、空きの時間を埋めるのに、「本」が入る。
  ぶらぶらしていては「本屋」に入り、喫茶店に入っては
  「本」を開く。


 ・タバコを買った後の寄り道は、定番の「カフェ・グレイス」。
  そこで開く「本」がなかったので、この「本」を買ってしまった。
  たまたま買った「本」ではあったが、奥付を見ると
  「平成十八年一月一日発行」とある。

  私は、期せずして、新しい年の1ページを開いてしまった。


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