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2005年09月29日03:12

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●順不同 (11)

■「ちくま少年図書館」

 昨日の「日々雑感」に書いたように、悩んでいたとき、どの本を読んでも
 著者の「衒い」や「技巧」が鼻につき、そしてどこかに
 「嘘」を感じるようになって、「本」がうとましくなっていた。
 そんなとき、ひょこっと覗いてみた図書館の児童書のコーナーで
 見つけたのが、この「ちくま少年図書館」である。

 もう30年程まえのこと、どれを最初に読んだかは忘れてしまった。
 秦恒平「日本史との出会い」だったろうか。それとも高史明の
 「生きることの意味」だったか、鎌田慧の「ぼくが世の中に
 学んだこと」だったか。

 どれかはっきりしないが、感銘を受けた。子供に語りかけるとき、
 相手が「大人」であれば見せる「背伸び」がなく、素直に
 正直に著者の気持ちが行間から伝わってきたからだ。

 私は、二冊目、三冊目と読み進んだ。決して「少年向け」でない、
 「大人向け」の「本」に期待できない、高い「質」をそなえた
 「本」たちに出会った。


 このシリーズは、「社会の本」「歴史の本」「心の相談室」
 「創造の広場」など、ジャンル分けがしてあり、私はこれまで
 大人向けの本では手にしなかったジャンルの本も読んだ。
 それらは、私に、それらの分野の入門書となるだけでなく、
 その分野の人々がどのようなことを真剣に考えているか、という
 ようなことも知った。

 考古学、沖縄、森林、手品、報道、学問など、大学では感じなかった
 新鮮さで、それぞれのジャンルの「知」に触れた。



■大人が子供に「語りかけない時代」

 子供がすでに「親」や「大人」の底を見透かしてしまっている。
 それもそのはず、社会のリーダー達が率先して、犯罪を犯し
 わが身だけのことを考えている。企業のトップの失敗が企業を
 傾け、その責任を下に転嫁して恥じない。

 かえって「不良」と呼ばれる「大人」の中に「大人」がいたりする。
 私は、色川武大「うらおもて人生録」のように、昔は子供たちに
 「おっちゃんはナ・・・・、だからお前たちは・・・・」と
 語りかける「大人」が大勢、まわりにいたような気がする。

 「タバスコ」さんの日記にも、そんなことを書き込んでみた。

 ・http://mixi.jp/view_diary.pl?id=41368137&owner_id=79707


■前号(順不同10)を読む
 ・http://mixi.jp/view_diary.pl?id=40216686&owner_id=1040600


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