ジャニス・ジョプリンが亡くなる直前まで制作していたアルバムで、その後残されたエレメントをバンドが構築することで完成に踏み切った。正しく彼女の遺作と呼べる作品です。
ジャニスの歌は初めて聴いたんだけど、凄い声ですねぇ…(゜<>゜;)
いかにも「ドラッグと酒で喉潰しました」的なしゃがれ声なんだけど、伸びやかでソウルフルでもある。そして見事に自分だけのブルーズを歌いこなせている。女性シンガーの歌声でここまで衝撃を受けたのは、ビョーク以来かもしれない。(ジャンルは違うけど)
ただし、歌が素晴らしいだけではこのアルバムが現在に至るまで名盤と呼ばれることはなかった筈だ。
ジャニス本人が作曲した曲は少ないものの、普遍的な輝きを放つ名曲ばかり。
バンドも取って付けた感じはせず、充実した演奏を聴かせてくれる。例えば、彼女の死によってインストという形で収録されてしまった"Buried Alive in the Blues"を聴いても、他の曲と比べて遜色ない出来に仕上がってることが分かるだろう。(この曲の直訳は"生きながらブルースに葬られ"…)充実したレコーディング風景だったんだろうなぁと思わせるような、楽しい気分になるサウンドで満ちている。
特に"Me and Bobby Mcgee"の高揚感はどうだ。カントリー調の穏やかなトーンで始まり、後半は古き良きR&Rな展開に突入、ホンキートンクなピアノがぐいぐい牽引していく。ジャニスの歌い方も情感溢れる粘っこさで、楽曲の完成度はアルバム中、ベストだろう。
次のストレートなアカペラのブルーズ"Mercedes Benz"の対照的な配置も良い。
本当に良い作品と出会えた。
ジャニスさん…なんで死んじゃったんだろう?
(この人のことに関してはあまりよく知らないのである)
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