27,28日で東京に行ってきました。
まだ完全に平熱まで戻っていないのですが、チケットはキャンセルできないので行かなくてはいけません。
27日
国立西洋美術館「写本」展
ステージ「エロイカより愛をこめて」
28日
ミュージカル「暁のヨナ」
というスケジュールでした。
写本展だけは前売りを買っていなかったため、本当にしんどかったら省略しようと思いましたが、それほど具合も悪くなかったので行きました。
正確には「写本-いとも優雅なる中世の小宇宙」というタイトルです。
内藤裕史氏が集めたコレクションです。
集めたのは本ではなく「リーフ(零葉)」です。中世の写本はバラされて骨董店や古書店で売られることが多いそうです。そういった「リーフ」をコツコツと30年にわたって集め続けたのです。しかし西洋で美術館を訪ねることが好きだった内藤氏は、そういった美術館に個人の収集品が寄贈されていることが多いのを知って、自分のコレクションも寄贈しようと思ったということです。
集めるうちに、フランスやイギリスの骨董商とも仲良くなり、情報がもたらされます。珍しいものが出た時に教えてくれることもあり、以前購入した零葉と同じ本から出たもの思われる零葉が見つかった!とか。
手書きの本を書写するとなると、それだけ価値のあるものを書かなくてはいけません。ということで、多いのは聖書です。中世なのでラテン語のウルガタ聖書です。中には携帯できるように小さい紙に文字をびっしり書いたものもあります。字体は当時の特徴的なもので、なかなか判別しにくいです。ラテン語がわかるわけではありませんが、中世音楽が好きで定型文など見慣れている語もあるので、どこかわかる言葉でもないかと思いましたが、文字の判別自体が難しい。解説に装飾イニシャルの説明があって、そこに使われている言葉が書いてあっても、文字がわかりにくい!ごくたま〜に判別できる言葉がありましたが…。
聖書のほかには聖務日課を記したものがあります。修道院では早朝から決まった時間にお祈りをすることになっており、その際に唱える言葉が定まっています。それを記したものです。写本を見ますと、文章だけではなくその間にネウマ譜が混じっているものがあります。唱えるだけではなく歌を歌ったのでしょうか。
また、文章ではなくネウマ譜だけが書かれた写本もあります。ネウマ譜は読めないな…。
いずれも単に文章だけではなく、頭文字は華麗な装飾文字、そのほか余白に色々絵や装飾が描かれています。描いている人の個性なども感じられて、「ここ、空いてるからこういう絵を描いてみよう」などと思ったのかな…とか。その時頭に浮かんだのは、青池保子の「修道士ファルコ」に出て来る写字生アルヌルフ。聖書や聖務日課など決められたものを書いているように見えて、余白に何を描くかは書き手の意志次第だったのかも…。
また、金もよく使われています。びっくりするほど厚塗りされて盛り上がっていることもあります。これは手書き写本ならではですね。
俗人が使うものとしては「時祷書」があります。カレンダーのように使われ、日付やその日がどんな日かが書いてあります。実用でもありますが、いろいろな絵が描いてあり、それも本によって本当にいろいろ。
最後の方に、ガラスケースに仰々しく展示されているのは、スペインの貴族身分証明書。かなり大きなものです。「スペイン国王カルロス1世」が与えたものという説明がありましたが、それ、神聖ローマ皇帝カール5世じゃないですか。すごーい。さらに、カール5世の母フアナ女王の印章もそばにありました。すごーい。
すっかりうっとり中世の気分にひたることができました。
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