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2023年04月22日23:51

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【音楽】 山田磨依ピアノリサイタル @中板橋

今日の夜は、板橋区の中板橋に行った。普段あまり馴染みのない東武東上線沿線に行ったのは、「山田磨依リサイタル」を聴きに行くためだ。

プログラムは次のとおりである。
 ・ダマーズ:ハープのための序奏とトッカータ
 ・ダマーズ:おとぎ話より
      第1曲、第4曲、第6曲、第10曲、第11曲、第14曲、第15曲、第16曲
 ・デュティユー:波のまにまに
 ・ダマーズ:8つのエチュードより 第1番、第3番、第4番、第6番
 ・ギイ・サクル:主題と変奏
 ・ダマーズ:献呈
 ・ダマーズ:ダマーズ:タランテラと鐘
 ・ダマーズ:ピアノ・ソナタ

   ピアノ:山田磨依
   会場:マリーコンツェルト中板橋 (19:00 開演)

この会場も初めてだが、駅からも近くて迷わずに行けた。山田磨依は、ジャン=ミッシェル・ダマーズ(1928-2013)の作品に早くから魅せられ、あまり知られていないこのフランスの作曲家の作品を演奏することを、ライフワークとして取り組んでいる若手ピアニストである。私も、たまたまCDを買い、銀座で生でも聴いた山田磨依の演奏に出会わなければ、ダマーズを知ることはなかったかもしれないし、逆に山田磨依と出会ったことで、かなりのダマーズ作品を聴くことが出来ているのである。今回はCDリリース記念リサイタルであり、そのCDに収録されている作品を中心にプログラムされている。

一部は昨年5月の経堂での山田磨依リサイタルでも聴いているが、今日初めて聴く作品も多い。まずは初めて聴く「序奏とトッカータ」だが、これはタイトルにあるようにもともとハープのための作品で、これをピアノで演奏するものだ。聴くと、ハープのための作品ということがよく分かるような感じで、なかなか素敵な曲だ。やはり、ハープ奏者の中村愛にも演奏上のアドバイスをもらったりしたそうである。

続いては16曲からなる「おとぎ話」から8曲を抜粋しての演奏である。第1曲、第11曲は昨年聴いたが、他はおそらく今日初めて聴く。順に「眠れる森の美女」、「シンデレラ」、「金髪の美女」、「美女と野獣」、「赤ずきん」、「巻き毛のリケ」、「グラシウズとペルシネ」、「仙女たち」であり、お馴染みのお話しを題材にしたものばかりだが、明るく楽しい中にもちょっとスパイスを効かせたような曲で、なかなか面白い作品である。

次は、ダマーズと世代の近いデュティユーの作品だ。ダマーズとの雰囲気の違いも感じつつ、聴いてほしいということだろう。山田磨依は、フランス在住中の2013年に、ダマーズとデュティユーの葬式に続けて参加したとのことである。ちなみに、フランスではデュティユーのことは大きく扱われても、ダマーズのことはあまり話題になることもなかったそうである。デュティユーの「波のまにまに」は、作品1以前の作品で、本人もあまに気に入っていなかったらしいが、「そんなことない、素敵な作品だ」という山田磨依の演奏で、楽しむことが出来た。これも初めて聴く曲である。

続いては、ダマーズのエチュードだ。昨年は第8番だけを聴いたが、今日は4曲を聴かせてくれる。とても難しい曲だそうで、8曲の中にいろいろな要素が詰まっているようだ。超絶的な技巧で圧倒するような録音が存在するらしいが(私は未知)、「それとはまた違ったアプローチをしました」という。単に技巧をひけらかすだけの曲ではないということを示そうということなのだろう。「抒情性にあふれている作品」と書いてある、まさにそれである。

休憩のあとの1曲目は、サクルの「主題と変奏」だ。サクルは現在も存命の作曲家である。主題のあとに変奏が11あるのだが、様々に展開していき、こういうのは聴いていても楽しい。作曲家の名前自体を初めて聞くような馴染み薄さなので、こうやって生で聴けたのも貴重な体験だろう。

このあとはダマーズの作品が続いていく。いずれもたぶん聴いたことはある作品だが、いずれも山田磨依の演奏である。「献呈」、「タランテラと鐘」と、印象的な小品のあとは、ダマーズの大曲のピアノソナタである。「第2楽章が何を意味するのかいまだによく分からないが、聴く人によってイメージも違うでしょう」という演奏前の説明があったので、特に第2楽章に注意して聴いたが、私の勝手なイメージでは、最初は夕暮れの海岸にでもいるような感じだったが、日が暮れて夜になると周囲は暗くなって不気味になり、最後はどこか知らない世界に入ってしまうような、そんな感じ(?)だった。それはそれとして、スケールの大きな作品であり演奏であったことは間違い。そこには、山田磨依のダマーズに対する熱い思いと深い理解があるのだと感じられた。

最後にアンコール演奏があった。ダマーズの「雨」と「朝に」で、アンコール用にふさわしいような明るく素敵な曲である。さらにもう1曲、ミヨーの「春」より第5曲(だったと思う)を演奏して、今日の演奏会を終えた。

ダマーズの作品を録音したCD発売記念ということで、発売は4/28だが、会場で先行発売していたので購入した。明日じっくり聴いてみようと思う。
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