最近購入したCD、2枚。
●武満徹 (1930-1996)
・夢千代日記
・組曲「太平洋ひとりぼっち」 (武満徹・芥川也寸志)
・3つの映画音楽
−ホゼー・トレス/黒い雨/他人の顔
・波の盆
尾高忠明指揮 NHK交響楽団
南里沙 (ハーモニカ)/鈴木大介 (ウクレレ)
大坪純平 (ギター)/山崎燿 (シンセサイザー) (2022録音、KING RECORD)
自身も映画好きであった武満。その映画音楽をコンサート用にした作品集である。武満は「映画に音楽を付け加えるというより、映画から音を削るということの方を大事に考えている」と語り、映像に寄り添う優しい音楽を生み出しているのだ。実際に映画やドラマ自体を観た記憶はない作品ばかりだが、音楽を聴いているだけでもイメージが出来る。「太平洋ひとりぼっち」は芥川也寸志との共作だが、作風も正反対と言っていい2人の作品が見事に融合している。「3つの映画音楽」は、コンサートでも生で聴いたことがあるが、ボクサーの心境を描いた音楽、葬送音楽、美しいワルツ、どれも素敵だ。「夢千代日記」と「波の盆」は、まさに武満という雰囲気である。
●ソフィア・グバイドゥーリナ (1931- )
・オッフェルトリウム
・リジョイス!
ジェイムズ・デプリースト指揮
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
オレグ・クリサ (ヴァイオリン)/トマス・スンドクヴィスト (ヴィオラ)
ミカエル・シェーグレン (チェロ)/トルレイフ・テデーン (チェロ)
(1992録音、BIS)
ロシア連邦タタールスタン共和国出身の、現在91歳の現役作曲家。その代表作の一つが「オッフェルトリウム」(ヴァイオリン協奏曲第1番)らしいが、グバイドゥーリナの作品は全く詳しくなく、コンサートで「ペスト流行時の酒宴」を聴いた他、CDで「ピアノソナタ」を聴いたくらいだ。「オッフェルトリウム」は、このCDで初めて聴く。なんとも捉え難い静寂な音楽が続くかと思えば、時々咆えるような怪しげな音楽ながら、聴いていくうちにはまっていくような不思議な音楽である。「リジョイス!」は5つの楽章からなるヴァイオリンとチェロの二重奏曲。喜びを爆発させるというよりは、しみじみと喜びを噛みしめるような感じである。
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