mixiユーザー(id:9160185)

2022年09月24日10:14

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莫大なメニュー


奇形の、巨大な水晶の中で、自分同士の殺戮劇を見てる夜、それぞれの雄叫びと断末魔は奇妙なほどに歪んでいて、けれど要因がどこにあるのかということは理解していた、だから地縛霊のように部屋の隅に沈殿していたんだ、夜の埃とともに…夜は忘れられた野性の時間、存在を疑うほどの月光の中で、深い傷口からまた血が溢れる、この世にある、あらゆる刀の類はすべて両刃の剣さ、それはおそらく責任のようなものさ、誰かを殺そうとするときは自分が死ぬ覚悟だってしておくものだ、暗がりの光る眼、どんな場所でも構わないじゃないか、それが生きていく力になるのなら、たとえどんなに汚れた我が身でも―無菌室でしか生きられないやつら、それはテリトリーが限られてるってことさ、手慣れた範囲だけで、その他のどんなことも知ることは無く、暢気に暮らして死んでいく、一番手軽な御伽噺の中で生きるやつら、上っ面の微笑みに騙されないようにするべきだね、自分にまだ未来があると思っているのなら…未来!未来について考えることなど時間の無駄というものだ、それは必ずやって来てあっという間に去っていく、時間は経験としてでしか感じられない、自己肯定にかまけているとほとんどのものを見落としてしまう、ただの目になることだ、ただの目になって、そこを流れていくものを延々と認識していくことだ、映ったものを鵜呑みにすることなく、幾通りもの見解をそこにあてがってみて、検証し、いちばんしっくりくるものを真実と呼ぶべきだ、そこには時間をかけるべきだ、現代人は即解こそが美徳だと思いたがる、それに見合う中身も無いのにひと目ですべてを理解してしまう、冗談じゃない…容易い真実などない、一番初めの認識は必ず覆されるだろう、そこに正解の数が幾つあったかなんてたいした問題じゃない、なんの参考にもならない、いついかなる場合でも、選択肢は無数に用意されるべきだ、選択する、しないに関わらず―世界はそこに意識を向けなければ広がることはまず無い、自己を現象よりも先に置いてしまってはそのすべては疎かなままに年老いてしまうだろう、ある意味で、自己は亡霊のようでなければならない、その世界において在るようで無いもの、ある者にとっては在り、またある者にとっては無い、そんな線上で見つめなければならない、生の対極はいつだって死であるべきだ、ならば出来る限りそこに近いところに行ってみるといい、そうすればより、生の意味を知ることが出来るだろう…初期衝動は必ずかたちを変えるものだ、最初に身体を突き抜けた稲妻の感触を忘れられないままで居ると二度とそこから動くことは出来なくなる、初期衝動は信じ過ぎてはならない、忘れたふりで記憶の隅に放流しなければならない、衝動だったものが確かなプロセスと成りえた時、そいつは必ず手元に戻って来る、誰もが必ず一度は落ち込む精神の奈落は、そいつを確実に飼い慣らすために必要な工程だと言えるだろう、初期衝動―狂気、なんて名前で呼んでも差し支えないけれどもね…洋服と同じさ、好みの方を選択することだね、必要なのは理論じゃないし、技術力でもない、瞬発力でもない…まあ、持続力は多少なりとも必要にはなるけれど、一番大事なのはセンスさ、自分自身の感覚でなにを選択して、繋ぎ合わせるのかというところだ、自分自身の感覚によって選択され繋がれていくものたちは、より深い場所まで潜ろうと勝手に鎌首を下へと向ける、そうして目ぼしいものに噛みつきながら、ゆっくりとしたスピードでどんどん深度を増していく、あまり飛ばしてはならない、アクセルを踏み込み過ぎるとその分沢山のことを見落としてしまう、そいつは現代人に科せられたもっとも重い罪さ、静かに、深く潜りながら、沢山のことを手にして、時間をかけて選んでいくんだ、そうでなければ、長い時間をかけて人生を歩いていく意味など無い、秒刻みで無数の選択肢が用意されているノベライズ・ゲームさ、さっきまで居たページに戻ることは二度と出来ないぜ、光景が交錯する、音が混じる、記憶が、血が、真っ当なラインを探す、正解は無くていい、正解には辿り着かなくていい、新しいページの最初の行に目を落とす瞬間が何よりも心地良い、俺の特色は誰よりも人生に貪欲なことだ、これはその取扱い説明書だ、そして証明書でもある、宣誓書であり、何より遺書でもある、さあ、御覧頂こうか、舐め回すみたいに隅々まで吟味しておくれよ、初めに感じた色は必ず変わるはずさ、そうでなければこんなものには何の意味も無いんだ、連続する存在と無、連続する存在と無が、俺にこんなものを綴らせるんだ、生と死が糾われた、極めて奇妙な縄さ、末端を掴め、しがみついて辿って行った先には、必ず悍ましくも美しい生きものが性急な呼吸を繰り返しながら忙しなく眼球を蠢かせている筈さ…。


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