昏倒のような深夜、ブロック塀に書き殴られたイルーガルな単語のいくつかは綴りを間違えていた、まだ十月も終わっていないというのに不自然なほど冷えていて、俺はふらふらと歩き出した最初の目的をすっかり忘れてしまっていた、日常は相変わらずカットされた
それは崩落し、細かく砕けながら、薄暗い地面へと乱雑に堆積していく、激しく、そしてささやかに繰り返す破壊音は、インプロビゼイション・ジャズのような気まぐれな旋律を形作る、すべては破片、音を上げれば上げるほどー声を上げれば上げるほどーそうさ、口
とある病院でもらったトラネキサム酸のカプセルをきっかけにサプリメントによって肌質改善をすれば蕁麻疹は出なくなるのではないかと思いつきそれ系のサプリをあれこれ調べているうち海外製のビタミンCのサプリに行き着いた単純にパッケージが洒落てたせいも
枯れた樹木が腐って落ちるようにあなたは居なくなったあしもとにはかさかさのかけらが残るばかりで死んだから永遠なんてわたしは疼く血が好きだからそんなもの信じないのです窓の外ではぼんやりとした雨が降っている誰かが嘘を放置しているのかもしれないふと
受話器を耳に当てたけれど水難事故の被害者の泡音が聞こえてくるだけだった、そこでそうそうに電話を切って、そのとき電話が鳴らなかったらしようと思っていたことを実行しようとしたけれど、それがなんだったのかを一瞬すっかり忘れてしまって、いっそのこと
ラジオの音は好きな音楽よりも投げやりでよくてだからラジオの中で眠ることにしてる住んだことのない場所の局がいいまるで想像出来ない道の交通情報を聞いて馬鹿じゃねえかとひとりで笑ってるねぇ、そういえば昨夜の話だけど言いかけたことは最後まできちんと
一番愚かなことは放課後の中で学んだ一番美しいもののことは禁忌の中で学んだ一番罪深いものは日常に転がっていた一番悲しいものは自室の本棚で震えていた引戸の滑りが駄目になったのは小さな傷のせい出て行こうとするたび咎めるような音を立てるかかとを鳴ら
世界が目覚める前におれたちはそこにいて翳りと虚ろを抱いて道路標識の下で帰路を忘れていた腕時計は電池切れで携帯の充電もあとわずかだった夏の装備じゃ思ったより寒くて自販機を探していたけど明かりはひとつも見つからなかった走ろう、とおれは言ってみた
愛は大事だとか戦争はいけないとか言うまでもないことを至極当たり前の話をさもオリジナリティーのようにさも斬新な意見のようにウンザリするぜアキアキするぜ吐気がするぜ吐気がするほどアレだぜ昭和の、戦いの中で生まれたニッポンのフォークソングに謝れテ
というわけで、誕生日です。50歳になりました。ミックジャガーはスティールホイルーズとか出してた頃ですかね?パティスミスだったらゴーンアゲインをリリースして日本初来日公演を行ったころですね。つまり表現者としてはここから旬ってことですよ。まあ、
死体のように冷たくなった身体を薄っぺらいコートでくるみながらほとんどの店がシャッターを下ろした真夜中の繁華街を歩いた、まだ秋が来たばかりなのにその夜は縮み上がるほどに寒く、そしてそれはもしかしたら気温のせいではなかった、脳裏にはいつのことな